厳冬の中国最北端をゆく(その13;黒龍江で魚捕り)
▲黒龍江源流近くの集落。とにかく空が広いです。
2007年1月7日、魚捕り。
全面凍結した黒龍江の上には、漁業を営む漁師さんたちがこの日も繰り出してきていました。この厳しい寒さの中で、生業とは言え、その苦労はたいへんなものです。山中湖でワカサギを釣るのとは違います。マイナス30℃以上に冷え込むこの土地で黒龍江に張った氷の厚さは1メートル近くになっています。馬そりをひいてやってきた二人の漁師さん、70歳のおとうさん70歳とその次男のお嫁さん37歳です。先をとがらせた鉄の杭でガリガリと氷に穴をあけているのはお嫁さんのほう。ほれぼれするような力強さです。ミゴトに穴があいて川の水が上がってきました。少し離れたところにも穴をあけ、穴と穴の間に網を通して魚を捕るのだそうですが、どうやって網を通すんでしょうね??
▲がつんがつんと氷を削るお嫁さん、なんて頼もしい。
めでたく穴があきました。
あちこちで漁業が営まれる。
さて、黒龍江の始まりの近くにある小さな集落で昼食をとることにしました。中国では木造家屋というのは少なく、瀋陽などでは郊外の農村でも見かけることはないのですが(だいたいレンガ造りなので)、このあたりの家屋はほとんど全部木造です。屋根も平らではなく、雪が降るからなのか日本の家屋と同じように斜面になっています。そしてだいたいどこの家屋も木の塀で囲まれています。本当に小さな集落で、まさに肩を寄せ合っているかのようです。
ぱっと見た感じはどの家屋も区別がつきませんが、商店にはささやかながら看板が出ています。みんな手書きの看板です。一年のほとんどが冬のようなこんな場所で暮らすというのはどんなものなのでしょう。僕らも売店と食堂が一緒になった小さな店に入って食事をします。店の中は暖かく、寒さでがちがちになっていた体がゆっくりと溶けていきました(^^)。
肩を寄せ合う小さな集落。
▲店には小さな看板が。家々からあがる白い煙が温かく感じます。