毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

平成最後の満月の夜(その6)

イメージ 1 ▲国鉄時代の面影をよく残した木造駅舎の越中大門駅。鉄道模型にありそうな典型的な形?

 2019年4月21日、鉄道アンダー歩道。

 1923年開業の越中大門駅で下車し、駅前に出ました。駅舎は開業当時のものではなく、いつの時代かに改築されているようですが、下見板張りの白い外壁と瓦屋根、二つの棟が段違いでつながる平屋構造など、国鉄時代の懐かしい面影をよく残した駅舎です。

 駅舎は線路の南側にあり、その一帯はごくごく普通の住宅街。この日の目的地は駅の北東方向約2.1kmにある射水市役所本庁舎なので、まずはとにかく線路を渡って北側へ出なければと思い、駅舎を出てすぐの道を左に折れて、踏切を探しながら線路沿いを歩いていきます。

イメージ 2 ▲越中大門駅の東約350mのところで見つけた、線路をくぐれる「冠水時通行禁止」の市道と用水路。

 踏切なんてすぐにはなさそうな気配の中を350mほど進むと、細い道路との十字路にぶつかり、その線路側を眺めてみると、黄色地に赤字の標識が目に入ったので、そちらの方へ行ってみました。するとその標識には「冠水時通行禁止」と書かれてあり、用水路が線路の下をくぐって流れています。更によく見ると、用水路の脇に下に降りるコンクリートの階段があり、用水路に沿って、更に狭い通路が伸びているようです。標識には「小島鉄道アンダー」「射水市」とも書かれており、ここはれっきとした市道のようです。

イメージ 3 ▲用水路と歩道が並んで線路の下へと続いています。

イメージ 4 ▲用水路の外壁には150cmまでの水位表示板が取り付けられてます。

 射水市のHPを調べてみると、土木部道路課のページに「道路冠水による事故防止について」というページがあり、「近年多発する局所的な豪雨(ゲリラ豪雨)により、アンダーパスなどの冠水に伴う事故が全国的に発生しています」として、市内の「冠水が想定される箇所」のリストと各所の詳細情報が見られるようになっています。この場所は、「市道小島常磐町線」という道路の「小島あいの風とやま鉄道アンダー (歩道)」という施設名になっているようです。この場所に出ているこの標識は「注意看板」というものらしく、「鉄道」の文字の部分のペンキが新しいのはたぶん以前は「小島JRアンダー」と書かれていたからだと思われます。

イメージ 5 ▲鉄道の橋桁の下すれすれを潜るようにトンネル部分へ入っていきます。

イメージ 6 ▲夜に通ったらちょっと怖いかも。

 このアンダーパスのおもしろいところは、単に周囲より低くなっているから道路冠水想定箇所に指定された歩道だというだけでなく、歩道よりも高い位置に用水路があって水が滔々と流れているということでしょう。歩道へ降りる階段脇には150cmの高さまでの水位表示板が取り付けられていて冠水時の警戒に備えてあります。この用水路がどのぐらい深いのかわかりませんが、大雨時にこの歩道に水が流れ込むおそれのほか、用水路があふれて歩道が冠水するおそれはないのでしょうか。歩道に降りきって、鉄道の橋桁に頭をぶつけないように前進すると、歩道部分はどこかからの漏水で常に濡れており、細い側溝を絶えず水が流れています。ちょうど自分の頭の横あたりを用水路の水が流れているのを感じながら歩くのはなんだかちょっと妙な気分。トンネル部分は意外と長いので、ここを夜に通ったらかなり暗いのではないかと想像され、ちょっと怖いかもしれません。

イメージ 7 ▲このアンダーパスを線路の北側に抜けたところ。歩道より用水路の幅の方が広いのがおもしろい。

 アンダーパスを歩ききって線路の北側に抜け、南側にあったのと同じような階段を上ると、 こちらにも同じような注意看板があり、振り返ると越中大門駅のホームの東端がすぐそこに見えています。この位置はまだ越中大門駅の構内なので、越中大門駅の1番線から3番線までに入る3本の線路と、その北側に1本の側線の合わせて4本の線路が走っているので、アンダーパスのトンネル部分もけっこうな長さになっているのですね。

 これで線路の北側に出られたので、更に歩いて射水市役所を目指します!

イメージ 8 ▲アンダーパスは越中大門駅構内、ホームがすぐそこに見える場所を通っているのでした。