毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

高句麗のふるさと五女山を訪ねて(その5;自生のクルミの森)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818211206.jpg ▲五女山の頂上から見える建設中の高速道路と鉄道。来年9月開通予定。

 2010年8月1日、五女山頂上。

 ふとももガクガク、汗だらだら、息も絶え絶えでようやく約千段の石段を登り切り、いよいよ五女山の山頂部分に到達しました。石段を登り切ったところにはいきなり売店があったりするんですがそれはそれとして、一帯は中国では珍しく鬱蒼と茂った森林で、森林浴をしながら気軽なハイキングにはもってこいの場所のようです。

 石段を登り切ってまず左の方へ行くと、狭いですが少し開けた場所があり、眺望が開けます。ちょっとまだ息が苦しく頭もくらくらしてて何がなんだかよくわかりませんが、眺めはいいです。緑が豊かです。でもちょっと休ませてください。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818211201.jpg 実に緑が豊かである。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818211155.jpg 蛇行する渾江と桓仁の町。

 頂上部分は遊歩道があり、ぐるりと一周できるようになっているほか、登山道も何本か通じていて、今さっき登りはじめた西口以外の登山口へ下りていくこともできます。

 眼下には緑多い桓仁の町が広がっています。その緑を貫くように真新しいコンクリートの高架が山と山の間に二本平行に貫いているのが目にとまりました。それが一枚目の写真です。

 聞けば、一本は鉄道路線、一本は高速道路だそうです。いずれも来年9月の開通を目指してまさに建設が進んでいるところだそうです。高速道路は瀋陽方面から撫順経由で桓仁へ至るもので、完成すれば現在4時間はかかる瀋陽~桓仁が2時間半程度に短縮されるそうです。
 鉄道のほうは、日本がかつて敷設しようとして頓挫したいわゆる「東辺鉄路」の現代版とでも言いますか、ロシアとの国境黒龍江省綏芬河から吉林省延吉、龍井、和龍、白河、通化遼寧省桓仁、丹東とロシア・北朝鮮の国境寄りを南下し大連を終点とする全長約1,400kmの鉄道路線のことで、既存の路線を新設路線をつないで一本にしようというもの(成田スカイアクセスみたいですね)。ここ五女山から見えるのは通化~灌水間の新設路線で、桓仁の町に初めて鉄道が通るようになるのです。開通したらぜひこの鉄道の旅レポをアップしてみたいですね。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818211216.jpg のどかな農村の眺め。

 案内してくれた現地の人に、真下を見てみろと言われました。展望台の急な斜面の下です。樹木が生い茂り、深い緑があるだけですが、何か?「あのへんに生えているのは全部クルミです。」 おお!なるほど!クルミ油の原料となる自生のクルミの木、林、森が五女山山麓にびっしりと育っているのですね!何かと体にいいらしいクルミ、しかも高句麗発祥の地に育っている自生のクルミならなおさら体によさそう(と勝手に錯覚)。さっきの「長白仙子」の店で僕もクルミ油を買うべきだった、かも。

 さて、すっかり上がっていた息も落ち着き、汗もひいてきたので、ぼちぼちと山頂周辺を歩いてみようかと思います。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818211211.jpg ▲五女山の斜面を見下ろすと自生のクルミの森。ちょうど真ん中あたりのひとかたまりがそうです。