麻婆豆腐レポート⑭(麻婆豆腐again)
2007年4月20日夜、陳麻婆豆腐西玉龍街店。
楽山から帰って来るなり、成都市の中心部にある陳麻婆豆腐店の西玉龍街店へ直行しました。
「麻婆」とは「あばたのおばあさん」の意味。「麻婆豆腐」は、清の時代の19世紀半ば頃、成都にいた陳というあばたのおばあさんが最初に作った豆腐料理が由来とされています。「婆」は「おばあさん」という説もあれば「身持ちのかたいおばさん」という説もあるようですが、あばた顔の人であったことには違いがないようです。
その元祖陳麻婆豆腐を出す店として知られる成都の「陳麻婆豆腐店」。市内にはいくつか支店がありますが、我々は西玉龍街の店に行きました。ここが本店らしかったので(未確認ですが)。
その元祖陳麻婆豆腐を出す店として知られる成都の「陳麻婆豆腐店」。市内にはいくつか支店がありますが、我々は西玉龍街の店に行きました。ここが本店らしかったので(未確認ですが)。
▲まずは三品が載った状態のテーブル。
「麻」という字には、「あばたのある」という意味の他に、「しびれる」という意味があります。日本でも「麻痺」「麻酔」という熟語のときの「麻」はその意味ですね。
一方、「辣」という字は「からい」という意味ですが、これは「トウガラシのからさがからい」という意味です。「辣」だけを見れば、四川料理よりもからい料理はたくさんあります。湖南省、湖北省、貴州省などの料理は四川料理より「辣」ですし、韓国料理やタイ料理なんかもそうでしょう。
一方、「辣」という字は「からい」という意味ですが、これは「トウガラシのからさがからい」という意味です。「辣」だけを見れば、四川料理よりもからい料理はたくさんあります。湖南省、湖北省、貴州省などの料理は四川料理より「辣」ですし、韓国料理やタイ料理なんかもそうでしょう。
四川料理が四川料理たるためには「辣」に加えて「麻」がなければなりません。「麻」があってこそその料理は初めて四川料理たり得るのです。そして「麻」の風味を引き出すのが「山椒」です。日本ではウナギを食べるときにサンショウの粉を振りかけるぐらいでしか登場しませんが、四川においては粒あり粉あり、とにかくこれでもかと山椒を(「花椒」という)ふんだんに使います。山椒はしびれさせるとともに素晴らしく香ばしい香りをたててくれます。この時食べた料理も「辣」と「麻」の連続攻撃にどんどんがんがん白いごはんが進んでしまいました!
▲鶏肉とピーナッツ、ネギにたっぷりの「紅油(いわゆるラー油+山椒)」。
▲トウガラシと山椒に埋もれたスペアリブ。ていうか、スペアリブが全然見えないじゃんか。おまけのように入ってるジャガイモもウマイ。
▲一服の清涼剤と思いきや意外と山椒がびりりとくる「空芯菜炒め」。
▲ワンタンのような水餃子のような「龍抄手」。これはからくないししびれない。あっさりとしてとてもおいしい。
白いごはんが進んだので、冒頭写真の麻婆豆腐はおかわりしてしまいました。
たっぷり食べて、連れも大満足。腹ごなしに駅前の宿までのんびり歩いて帰ることにしました。
全体にどれもおいしかったです。ただ、麻婆豆腐だけをとってみれば、この店よりもおいしい麻婆豆腐を出す店はいくらでもあると思います。しかしまあ連れは初めてだったし、なにごともまず「元祖」を極めておくことは悪いことではありません(笑)。次回からは更においしい麻婆豆腐が食べられる店を開拓していこうではありませんか。
成都最後の夜が更けました。翌日は瀋陽へ帰らねばなりません。