毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

今日のランチは「爆」系列(後編)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818212207.jpg ▲シンプルがベストであることを実感できる「爆」系列料理。

 2010年12月18日、ランチのつづき。

 中国語の辞書で「爆」という字の意味を調べてみると、3番目ぐらいに「烹調方法,用滾油梢微一炸或用滾水梢微一煮」という説明が載っています。「中日辞典」ではこの項目は「〈料理〉熱した油でさっと焼く、あるいは沸騰した湯の中に入れてさっと煮る」と出ています。

 店の壁には、店の名前「爆肚盛」と「清真」の文字、そしてアラビア飾り文字を毛筆で書いたものが額に入れられてばっちり飾ってありますが、「爆」がそういう意味だとすれば、このお店の名前にもなっている看板メニューである「爆肚」とは、「牛の胃(センマイ)などの臓物を熱湯でさっと茹でたもの」ということになります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818212226.jpg 店の壁にかけてある。

 センマイなど臓物系がかなりニガテな僕には「爆肚」はムリ。しかし、メニューを見ると、「爆肚」以外にも「爆」が付いたものがいくつか並んでいます。「爆」系列です。「爆」系列には「爆白菜」「爆粉絲」「爆豆腐」などがあるようです。白菜や粉絲(ハルサメ)、豆腐なら僕でもだいじょうぶ。ここは一つ「爆白菜」と「爆豆腐」を食べてみましょう。

 前編でご紹介した主食の「門丁肉餅」を食べながら待つことしばし、出てきました「爆白菜」と「爆豆腐」!……と言っても、なんのことはない、「爆」の意味のとおり、ただ単に白菜と豆腐を茹でただけのものが皿に盛ってあるだけです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818212159.jpg 「爆豆腐」。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818212212.jpg 「爆白菜」。

 「爆」系列を注文すると、「小料」は要るかと聞かれます。これは香菜(コリアンダー)の刻んだのが載ったごまだれのことです。豆腐も白菜も「爆」しただけ、つまりただ茹でただけなので、一切味はついていません。茹でたての豆腐や白菜をこのごまだれにつけて食べるのが「爆」系列の食し方なのです!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818212230.jpg ごまだれにつけて食べる。

 この「爆」系列ほど、素材のおいしさを味わうことの良さや、シンプルであることがいちばんうまいことがわかる食べ物はないんじゃないでしょうか。だって、白菜も豆腐もただお湯で茹でただけなんですよ。これがそれだけでも十分にうまいんです。白菜はしゃきしゃきという食感がたまらないですし、豆腐はにがりが効いているような大豆の香りが立つような昔ながらの味の濃い豆腐という感じですし、これをアツアツのうちにごまだれにちょこっとつけて食べると、格別です。「門丁肉餅」2個と「爆白菜」「爆白菜」で合計21元也。日本円にすると約260円。これでこんなに満足できるランチが食べられるんだから、中国ってしあわせだなあ(^^)。(ていうか、茹でるだけの料理ぐらい自分で作って食べたらよかろうという突っ込みがありそうですが……。)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818212221.jpg 「爆豆腐」、食べます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818212217.jpg ▲「爆白菜」もアツアツのうちにごまだれにちょこっとつけて食べるとしゃきしゃきで、美味。