「カシオペア」で帰省する(その1)
2005年の2月初めのある日、父親が脳梗塞で倒れて介護を受ける身になった04年10月から、僕が毎月少なくとも一回は週末を利用して東京から青森へ帰省していることを知っている友人が連絡してきました。
「オイ、〔カシオペア〕がとれたから今度これで帰省しないか」
おお!「カシオペア」! 寝台特急は青い車輌、ブルートレインに限ると普段は思っているけれど、やはり一度は乗ってみたい「カシオペア」がとれたとな?しかも、カシオペア・スイートは当然のごとくとれなかったけれども、編成に一部屋しかないカシオペア・デラックスがとれたのだとその友人はいささか自慢げ。友人はこれで北海道へ行って旭川にいる後輩を訪ねるのだそうです。
カシオペア・デラックスと聞いては二つ返事でOK!といきたいところですが、イヤ、ちょっと待て。「カシオペア」と言えばオール二人用A寝台個室。それは仲睦まじい夫婦でとか大好きなあの子とカップルでとか、そんなふうにして僕は乗りたかったのだ。イヤ、そりゃもう乗りたいですよ、「カシオペア」。しかし、なんでよりによってむくつけき野郎と狭い個室の同じ屋根の下で一夜を過ごさねばならんのだ。友人によれば食堂車のディナー券も手に入れたという。ちょっと待て。僕はむくつけしオノコとテーブルを挟んでフランス料理のフルコースを食べるなんて趣味はナイ。
うーーーーーん……と考えることしばし。
「よっしゃ、行こう!」
負けた。負けました。「カシオペア・デラックス」という甘~い誘い言葉に完敗。こうなったら相手が誰だろうと男だろうと僕は行きますよ、たとえ地の果て札幌までも。
というわけで、2005年3月4日(金)になりました。
仕事は午後休をとっていったん自宅で着替え、荷物を持って15:45頃、上野駅13番線に到着。
おお!上野駅13番線ホームには、16:20発札幌行き寝台特急8009レ「カシオペア」がもう入線しているではありませんか。
おお!上野駅13番線ホームには、16:20発札幌行き寝台特急8009レ「カシオペア」がもう入線しているではありませんか。
上野駅13番線、すでに入線済み。
ふむふむ、これが噂の「カシオペア」ね、と思いながら先頭から見分していきます。
青森までの牽引を担当するのはEF81-89。ばっちりカシオペア・カラー。よーーく見るとちょっと地肌が見えているところもないではないが……
先頭は12号車のラウンジカー。最後尾1号車のカシオペア・スイート(展望室タイプ)、今夜の宿泊客はどんな人なんでしょうね……
青森までの牽引を担当するのはEF81-89。ばっちりカシオペア・カラー。よーーく見るとちょっと地肌が見えているところもないではないが……
先頭は12号車のラウンジカー。最後尾1号車のカシオペア・スイート(展望室タイプ)、今夜の宿泊客はどんな人なんでしょうね……
牽引はEF81-89。ヨロシクね。
ゆうづるやはくつるもあってほしい。
スイートの今夜の主はどんな人?
さ、乗りますよ、カシオペア・デラックス。編成にただ一室、2号車の車端部にあるこの部屋は一層構造なので天井が高く、リビングとベッドを一層にまとめているので面積も広め。ドアを入って右にシャワールーム、正面に洗面台とトイレ。左に折れると窓側に向かい合わせのソファーとテーブル、通路側にベッドが一つ、そしていちばん奥にもう一つベッドがあります。
撮る前にちゃんと片付けましょう。
こりゃスゴイわ…… オイ相方よ、オマエよくやった。よく指定券取れたね。褒美にさっき上野駅で買った「上野駅限定おふくろの味・上野弁当」オマエにやるから食べていいよ(^-^)。
16:20、「カシオペア」は上野駅の地下ホームをゆっくりと発車しました。いつものようにごとんごとんといくつものポイントを越え、鶯谷のあたりで地上に顔を出し、北を目指します。札幌まで1214.9㎞、16時間34分の旅がスタートしました。
最初の停車駅・大宮を出てしばらくすると、ウエルカムドリンクが届けられました。我々はおたるワインとニッカウヰスキーの小瓶をお願いしましたが、ホットドリンクも届けてもらうことができるらしいです。
缶ビールは自分で買いました。
さっそく先頭車両12号車のラウンジカーへ行ってみましょう。
2号車から12号車へ行く間に、編成の大部分を占める「カシオペア・ツイン」の部屋ものぞいてみましたが、この日は意外と空室が多く(というかほとんど空室)、乗客はまばらでした。花形クルージング・トレインと言っても季節や曜日によって乗車率に起伏があるのでしょう。
2号車から12号車へ行く間に、編成の大部分を占める「カシオペア・ツイン」の部屋ものぞいてみましたが、この日は意外と空室が多く(というかほとんど空室)、乗客はまばらでした。花形クルージング・トレインと言っても季節や曜日によって乗車率に起伏があるのでしょう。
ラウンジカーの大きくとった窓からは機関車との連結部分が望めます。まだ外は明るいし、ここにのんびり腰掛けて車窓の景色でも眺めながら、18:30からのディナータイムを待ちましょうか。
ラウンジカーでのんびり。
窓越しに機関車が。