毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

平成最後の満月の夜(その2)

イメージ 1 ▲RWY16Lエンドで離陸の順番待ち。隣で待ってるのは札幌新千歳行きANA075便。

 2019年4月20日、パーティジェット。

 RWY16Lエンドまでやってきましたが、さすが夕方の出発ラッシュ、離陸機待ちの行列です。窓から見える限りでは、滑走路に入っていたJALのB737-800が離陸していくと、我がJAL191便の前で待機していたJALの別のB737-800が滑走路に入り、こちらは少し前進してホールディングポイントC11で停止。隣のホールディングポイントC10には、レジJA-744AをつけたANAのB777-200が停止中。これは18:00発の札幌新千歳行きANA075便のようです。RWY16Lから出発するには、D滑走路のRWY23へ着陸する飛行機も待たないといけないので、なんか余計に時間がかかるような気がします。2機目のJAL機が離陸すると、このANA機が滑走路に入って離陸し、ようやくこちらの番がまわってきました。18:21にRWY16Lから離陸です。

イメージ 2 ▲国内線第2ターミナルを見下ろしながら離陸。

 離陸直後の左急旋回のあたりから早くも雲の中に入り、すぐに雲上飛行になりましたが、進むにつれて、薄雲がたなびく感じから霞がたちこめる程度へと雲は切れていき、北アルプス、立山連峰を越えるあたりでは雲はすっかりなくなり、まだまだ残雪の多い(なにしろ立山黒部アルペンルートが開通したのは5日前の4月15日のことで、「雪の大谷」の雪壁の高さはまだ15mだって言うんですから。)山々の連なりが茜色の弱い西日を浴びて、美しく眼下に広がっています。その奥の方には日本海と、能登半島のシルエットも見えています。

イメージ 3 ▲雲はすっかりなくなり、眼下にはまだまだ残雪の多い北アルプス立山連峰が広がりました。

イメージ 4 ▲奥の方には日本海、長くのびているのは能登半島か。

 富山県上空から石川県上空に入る頃には日もだいぶ暮れ、地上には明かりが灯り始めてきたようです。最終の着陸態勢になって高度を下げていくと、地上の明かりがなかなかきれいです。福井県あわら市上空あたりまで西に飛んでから旋回して、小松空港へ南から下りていきます。残照が映って地表が妙に鏡面のようになっているのは、きっと田んぼに水が張られているからでしょう。もう田植えが終わったか、これから田植えか、日本の春の風景ですね。

イメージ 5 ▲水を張った田んぼが広がるあわら市上空。左上端は九頭竜川の河口。

イメージ 6 ▲このあたりでターンして方向転換。北潟湖の向こうの明かりは加賀市、小松市の市街地か。

 19:02、小松空港RWY06にランディング。この日の飛行時間は41分。近いなあ。

 19:05に6番ゲートにスポットインしてみると、隣には台湾のエバー航空が停まっています。19:30発の台北桃園行きBR157便です。5月1日までは毎日跳んでるんですね~需要旺盛なんですね~。そしてこの日来ていた機材はレジB-16333をつけたA330-300ですが、機体全身にサンリオキャラクターが描かれています。台湾の人たち、ハローキティとか大好きですもんね!エバー航空もサンリオ社の協力を得て、特別塗装機「ハローキティジェット」を飛ばしています。特別塗装は7タイプあり、この日小松空港に来ていたのは「パーティジェット」。エバー航空のHPによれば「お空の上でパーティー!困りごとや悩みなどすべて忘れ、エバー航空オリジナルのパーティージェットで愛らしいサンリオファミリーに囲まれながら飛ぶ、情熱とエネルギーにあふれる旅路。楽しい思い出の旅に出発です」だそうです。

イメージ 7 ▲小松空港にスポットインすると、隣は台北桃園行きのエバー航空サンリオ「パーティジェット」。

 さて、この日はちょっと趣向を変えて、北陸自動車道小松IC近くにあるホテルに泊まることにしてあります。そこへ行くにはまず19:20発の小松駅行き空港連絡バスで空港から2つめのバス停「浮柳」で下車。ここからホテルまで約2.3kmは、徒歩で行かねばなりません。すぐ前方に架かる橋で前川を渡り、最初の交差点を左に折れて、小松ICに向かう県道25号線の草むして暗い歩道をひたすら歩きます。他に歩いている人影はまったくありません。あ、時々ランニングしてる人はいたかも。

 歩いて歩いて歩いて歩くと、小松IC(小松料金所)入口に到達。その角にコンビニがあったので飲み物を調達し、県道25号線を渡ろうと歩道橋をのぼったところで、見えました、平成最後の「満月」。あまりに唐突に見えたので、びっくりした。国立天文台の「月の出入り時刻表」によれば、金沢市の4月20日の月の出は19:24となっているので、ほんとに出て間もない月です。

イメージ 10 ▲歩道橋の上から唐突に見えたまん丸の月。

 厳密に言えば、4月の「満月」は前日の4月19日。その日は、ニュースでも「平成最後の満月」とか言ってたくさん取り上げられていましたが、僕自身はなぜか見そびれた。4月の満月は「ピンクムーン」と呼ばれているそうですが、シバザクラやキキョウナデシコなどピンク色の花が咲き誇る季節だからだとか。ピンク色の花の中には当然サクラも含まれるでしょうね。

 そんな「平成」最後の満月を、1日遅れだけれど、こうして見られてよかったです。月の年齢は約45億5000万年であるからして、「平成」と「令和」で違う月が昇るでもなし、「平成」最後のうんぬんと取り沙汰することにはなんの意味もなく、満月はいつ見ても美しく、満月が見られるといつもちょっとウレシイ。もっと見ていたいけど、道の先にホテルも見えてきたことだし、とりあえず残りの道を歩ききってしまおう。

イメージ 8 ▲手前の田んぼにも月の光が落ちている。

イメージ 9 ▲写真に写せばこんなものだが、実際に目に見えている月はもっと大きく明るく感じますね。