毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

大分佐伯の美味いモノ(その2)

イメージ 7 ▲佐伯と言えば「ごまだしうどん」、ついに本場で食べることが実現。

 2019年3月6日、寿司もうまい。

 08:33、特急「にちりんシーガイア7号」は、定刻に小倉駅を発車しました。

 停車駅は、行橋、中津、杵築、別府、大分。大分では4分停車し、その後は鶴崎、臼杵、津久見、そして佐伯です。小倉から佐伯までの所要時間は2時間31分ですが、「にちりんシーガイア7号」を博多から宮崎空港まで完乗すると5時間47分かかります。走行距離は413.1kmで、現在定期運行している昼行特急の中では運行距離が日本最長なんですねー。ぜひいつか通して乗ってみたいものです。

 予想どおり、中津か杵築のあたりで睡魔に襲われて陥落。爆睡の縁から生還したときには、列車はすでに大分を過ぎ、次の停車駅・鶴崎を目指して走っているところでした。車内は小倉出発時からがらりと変わって閑散となり、乗客はぐっと減っていました。やっぱり別府駅、大分駅が人の移動の境目なんですね……

イメージ 1 ▲国鉄時代から変わっていない臼杵駅1番線ホームの駅名標。

イメージ 2 ▲佐伯駅では数人が下車。

 11:04、特急「にちりんシーガイア7号」は、佐伯駅1番線ホームに到着しました。数人が下車します。

 1番線ホームには、国鉄時代からそのまま残っていると思われるなつかしい字体の駅名標が今も現役で残っています。「佐伯」は「さえき(SAEKI)」ではなく「さいき(SAIKI)」と読むのだと、ここで初めて気がついたりして。

 「にちりんシーガイア7号」が走り去ると、2面3線の佐伯駅の構内が見渡せるようになります。ホームのブロックの積み方や、跨線橋のたたずまいなどなど、国鉄時代からそのまま時間が止まったかのような佐伯駅、下車するのは今回が初めてですが、なんとも懐かしい雰囲気に満ちています。

 1番線ホームには「佐伯市の特産品」という案内板もありました。ハウスみかん、ポンカン、ほうずき、マリンレモン、スイトピー、椎茸、菊の絵が描かれています。ちょっと待て。佐伯って港町で、海産物の宝庫ではないのか?なぜ特産品は農産物だけなのだ。それとも海産物バージョンの案内板もあるのかしら?

イメージ 4 ▲佐伯駅構内。3番線に停車中なのは11:40発の佐伯始発の日出行き普通列車4640Mでしょう。

イメージ 3 ▲1番線ホームにある佐伯市の特産品を紹介する案内板。なぜ農産物だけなのか。

 朝、小倉を出るときには降っていなかった雨がどこからか降り始め、佐伯も雨です。駅前のビジネスホテルに入るまではまだ傘なしでもだいじょうなぐらいでしたが、雨脚はその後強くなり、傘なしでは厳しいほどの降りになってきました。

 しかし、雨が降ってもランチは食べに行かなくちゃ。佐伯と言えば「佐伯ごまだしうどん」。「ごまだしうどん」で「ご当地グルメでまちおこし」に取り組んでいる市民団体「佐伯ごまだしうどん大作戦」はB-1グランプリ全国大会の常連であり、2013年の地区ブロック大会「2013九州B-1グランプリ in 日田」ではブロンズグランプリを受賞、2016年には「2016西日本B-1グランプリ in 佐伯」をホストするなど、活躍しています。

 そんな佐伯の「ごまだしうどん」を本場佐伯でぜひ食べたい僕が連れて行かれたのは、駅前の大通りである国道217号線を南へ2kmほど下り、佐伯市の中心街の「うまいもん通り」を中心とする飲食店集中エリアにある「活魚料理 つね三」。ここの「ひるメニュー」の中にある「おまかせ寿司ミニうどんセット」のミニうどんを普通のうどんにしてもらったのをいただきました。

イメージ 5 ▲佐伯最初のランチは「活魚料理 つね三」にて。フキとコウナゴ?の佃煮をつまみつつ。

イメージ 6 ▲これが「つね三」のごまだしうどん。これにもフキの佃煮が添えられています。

 佐伯の「ごまだし」とは、エソなどの魚の身を焼き、それとゴマとをすりつぶして醤油とみりんを加えて作る調味料で、エソを使ったものがいちばんポピュラーのようですが、タイを使ったもの、カマスやアジを使ったものなど、バリエーションがあるようです。この「ごまだし」を湯に溶き、それでうどんを食べるのが「ごまだしうどん」。「つね三」自家製の「ごまだし」はエソを使ったもので、うどんが入り、かまぼこと刻みネギが添えられたどんぶりの真ん中にこんもりと「ごまだし」が載せられて出てくる、その「ごまだし」を溶いて食べると、味は濃いぐらいにしっかりしていて、磯の香りとゴマの香りが渾然一体となって、うどんがツルツルと入ってきます。おいしい!いくらでも食べられそうです。

イメージ 8 ▲「ごまだしうどん」に遅れることしばし、卓上に搭乗した「おまかせ寿司」。

 あまりにもおいしく、あまりにも食べやすいので、先に出てくる「ごまだしうどん」は一瞬にして完食。どちらがセットのメインなのかわからない「おまかせ寿司」が登場するまでしばしお時間いただきます。

 フキの佃煮をお茶請けにお茶を飲みながら待っていると、ついに「おまかせ寿司」が配膳。おおっ、これは、なんとも美味しそう!とにかくネタが大きく、上から見るとシャリがまったく見えないばかりか、ネタがシャリの両側の皿の上にさらに裾を広げているほど。イカ、アジ、ボタンエビ、タコ、タイ、マグロ、ハマチ、ウニの8貫盛りは圧倒的。これにさらに魚のつみれがゴロンと入ったお吸い物までついてきます。醤油はさすが九州、甘口のとろりとした醤油が佐伯の地魚によく合います。これは大満足。こんなしっかりした握り寿司、久しぶりに食べた。出ぎわには、「つね三」オリジナル「豊後大分 佐伯ごまだしうどんの素」(つまり「ごまだし」)を1本購入しました。ごちそうさまでしたー。

イメージ 9 ▲ネタが大きく新鮮で、ホントおいしかった。特にタコが巨大でタコ好きにはたまらない。