毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

盛岡じゃじゃ麺

イメージ 1 ▲10年以上ぶりぐらいに盛岡で「じゃじゃ麺」食べました。

 日本に戻ってきて早や4ヶ月になろうかという12月5日と6日、岩手県の盛岡市へ行く機会がありました。盛岡駅での乗り換えは最近もしたことはあるものの、駅を出て市街地へ出たのはたぶん10年以上ぶり。

 盛岡に来ると、食べたくなるものは数々あり、まずその筆頭は「福田パン」のコッペパンサンド。盛岡市民のソウルフードであり、2014年9月に花巻空港から盛岡駅で新幹線に乗り換えたときに初めて食べることができたけど、ホントにおいしい。盛岡駅構内の「「iwate tetoteto」というショップで買えるのも便利(そのときの記事はコチラ。)。今回も、12月5日の昼に食べることができました。食べたのは、定番の「あんバター」と「あまおういちごクリーム」、「塩麹チキン&ごぼうチップスサンド」の3つ。写真はないが、おいしかったー。

 そして盛岡と言えば「わんこそば」、「冷麺」、「じゃじゃ麺」の「盛岡三大冷麺」。12月6日の昼に、新幹線に乗る前に時間ができたので、そのどれかをぜひ食べようと悩むことしばし。やっぱり盛岡に来たときぐらいじゃないと食べられないものにしようという結論に達し、「じゃじゃ麺」に決定。盛岡駅では、「じゃじゃ麺」と言えばココ!という「白龍(ぱいろん)」が「おでんせ館」1階に入っていますが、11時半の段階で早くも長い行列。しかしあきらめてはいけない。駅地下の公共地下道に並ぶ「めんこい横丁」にも「小吃店」という専門店があり、今回はこちらで久しぶりの「じゃじゃ麺」を食べました!

 「じゃじゃ麺」とは、中国経験がある者ならすぐにわかるとおり、その由来は北京名物「炸醤麺(zhajiangmian)」。戦前、いわゆる満洲にわたっていた「白龍」の初代主人が、戦後盛岡に引き揚げた後、満洲時代に味わった「炸醤麺」を屋台で出したのが始まりなのだとか。盛岡人の舌にあうようにアレンジが繰り返され、現在のような「じゃじゃ麺」になったそうです。

 平打ちうどんのような太めの麺を多少深さのある平皿に盛り、特製の肉味噌とキュウリ、ネギを載せたものが一般的。ここ「小吃店」の「じゃじゃ麺」にはショウガのすりおろしと刻みベニショウガが添えられて出てきます。注文すると「ゆでるのに10分ほどかかりますが」と言われます。「じゃじゃ麺」を食べるのに焦りは禁物です。

 配膳されたら、ラー油や酢、おろしニンニクなどを好みでかけ、肉味噌と一緒に元気よくかき混ぜて食べます。麺はゆでたてで温かく、つるつるとのどごしもよくて、意外なほどオイシイ!!「中」「大」「特大」とあるうちの「特大」を注文したんですが、まったく箸が止まることなくすぐに完食。「じゃじゃ麺」の味噌は「肉味噌」と説明されますが、中国の粗挽きの挽肉がごろごろ入った「肉味噌」を知る者からすれば、盛岡「じゃじゃ麺」の味噌は、「小吃店」にせよ「白龍」にせよ、肉っぽさはほとんどなく、きれいなペースト状で、味はむしろ「ゴマ味噌」という感じ。これが盛岡の「じゃじゃ麺」の「じゃじゃ麺」たるゆえんだと思います。

 盛岡「じゃじゃ麺」のもう一つの大きな特徴は、食べ終わったあと、テーブルに常備してある生卵を割り入れてかきまぜ、店員さんにお願いすると、アツアツの茹で汁を入れてくれます。これに自分で味噌を足し、ラー油や酢などで味を調えて、卵スープのできあがり。これが「ちーたんたん」。なんのことかと思ったら「鶏蛋湯(jidantang)」のことだそうな。写真を撮らなかったのが悔やまれる。

 「じゃじゃ麺」の〆めに「ちーたんたん」ですっかりあったまって、大満足。でも、店名「小吃店」に「shosuten(しょーすーてん)」とふられているのはなぜだろう?

イメージ 2 ▲ぱっと見は中国の「炸醤麺」っぽいけど、盛岡「じゃじゃ麺」はやっぱりまったく別のもの。