毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

香港カイタク空港滑走路跡(2017年月イチ日本・9月編;その11)

イメージ 2 ▲香港空港48番ゲートで出発を待つ北京行きCX312便。

 2017年9月21日、ビールはサンミゲル。

 JL029便で香港に到着し、乗継ルートをたどってさくさくと再び搭乗ゲートエリアに上がり、次に乗るのは17:00発の北京行きCX312便です。まだ丸々2時間あって、余裕です。特にしたいこともないので、キャセイラウンジでまったり過ごすことにしよう。CX312便は48番ゲートからの出発になったので、出国審査場などがある側とは真反対のウェストホールにあるラウンジ「The Pier」で過ごすことにします。

 ハンパな時間ではありますが、キャセイラウンジはフードが充実しているので、点心や、パニーニ、フォカッチャ、ピザなどを、香港と言えばサンミゲル・ビール(生力啤酒)とともに食べまくります。

イメージ 1 ▲サンミゲルはもともとフィリピンのビールですが、昔から香港を代表するビールになってます。

 頃合いを見計らって、48番ゲートへ前進。CX312便のこの日の機材はレジB-HNKをつけたB777-300で、塗装は新塗装です。お向かいの49番ゲートにはレジB-LAEをつけたA330-300、18:45発アデレード行きCX173便が入っていますが、こちらは旧塗装のまま。旧塗装機は急速に減ってきているようなので、しっかり目に焼き付けておかなければ!ちなみに、CX173便の向こうを、日本からは撤退してしまったヴァージンアトランティック航空のB787-9がタキシングしていきました。所定17:05着のロンドンからのVS206便だと思われます。

イメージ 3 ▲CX312便は48番ゲートから。香港~北京線はCX、KA、CAのシャトル運航になってます。

イメージ 4 ▲急速に減りつつある旧塗装のCX機。向こうには日本線を撤退したVS機も見えます。

 16:32に搭乗し、14番A席に着席。この便でもビジネスクラスに乗りますが、シートやもろもろの設備は来るときに乗ったKA便とまったく同じなので、別にフルフラットシートとかでもないし、乗りドク感はありません。そんなビジネスクラスはほとんどの席が埋まり、香港~北京線が極めて重要なビジネス大幹線になっていることを窺わせます。シートテレビには北京までの飛行距離1,238マイル、予定飛行時間2時間44分と出ています。ウエルカムドリンクにはシャンパンをいただきました。

 17:08にドアクローズとなり、17:14にタキシング開始。遅れがちな香港~北京線なのに実に順調な出発、いい調子じゃん、と思ったのもつかの間。離陸の順番待ちの行列が長くて、離陸できたのはなんと17:44。JL029便での到着時からはランウエイチェンジになり、RWY07Rからの離陸でした。

イメージ 5 ▲離陸後すぐ眼下に見えてきたのは青衣島、奥は九龍サイドの荃灣地区。

 離陸してすぐ、右側に座っていれば香港ディズニーランドが見えたりするのですが、左側だと空港やディズニーランドのあるランタオ島は見えず、眼下には、ランタオ島と九龍エリアの間にあって、道路鉄道併用橋としては世界一の長さを誇る「青島大橋」などでランタオ島や九龍エリアとつながる青衣島や、その対岸の荃灣地区が見えてきます。

 右側ならビクトリアハーバーや香港島が見えているあたり、左側の眼下には、西九龍地区開発の目玉の一つ「奥運城(Olympian City)」の周辺が見えてきます。九龍半島の先端部に近い一帯です。

 そして、九龍半島部分を西から東へ抜けるように飛ぶ機窓のほぼ真下に、香港カイタック空港の跡地が見えてきました!1998年に今のチェクラプコク空港が開港して以降、カイタック空港跡地は遅々としてその再開発が進まず、もう20年が経とうとしているのに再利用されている部分はまだごくわずかで、その着陸の難しさで世界的に有名だった「香港アプローチ」の滑走路も、すぐそれとわかるほど原型をとどめたままです。 

イメージ 6 ▲西九龍の「奥運城」エリア。歩道橋で菱形に囲まれているように見えるのはMTR東涌線の「奥運」駅。

イメージ 7 ▲眼下に香港カイタック空港の跡地が。RWY13/31の滑走路もぱっと見てすぐわかりますね。

 九龍半島の東側へ抜け、更に西貢半島上空をも横切ると、左へ旋回し、機首を北へ向けて北上を始めます。そうすると、左側の機窓からは、まず手前に、新界エリアの北東部、馬鞍山、香港中文大学キャンパス、沙田などのエリアが見えてきます。まっすぐ直線状に奥へ食い込んでいる細い水路のようなものは「城門河(Shing Mun River)」です。

 そしてこの日はよほど天気がいいのか、そのはるか向こうに、暮れ始めて夕闇ただようビクトリアハーバーとその両岸の香港島と九龍半島の先端部、更にその向こうのラマ島までが見えるではありませんか。ビクトリアハーバーにぐぐっとズームしてみると、見覚えのある高層ビルの一つ一つがくっきりとわかり、香港島サイドのビルにネオンが点灯し始めているのもよく見えます。

 そして極めつけは、なんとランタオ島の全景が見えてるじゃないか。今離陸してきたばかりのチェクラプコク空港も、マカオ・珠海方面へ建設が進む「港珠澳大橋」も、「青馬大橋」も、ランタオ島の南西沖に点在する索罟群島の島々や広東省珠海市に属する万山諸島の島々までもが見えています。日暮れとともにこれらの島々はだんだんとシルエットだけになりつつあって、どこか幻想的です。

イメージ 8 ▲香港北東部、馬鞍山、香港中文大学キャンパス、沙田などのエリア。直線状の水路は「城門河」。

イメージ 10 ▲ビクトリアハーバーをはさんで九龍半島先端部と香港島、そしてその奥のラマ島まで見渡せた。

イメージ 9 ▲ワンチャイやトンローワン(銅鑼灣)あたりのビルにはネオンが灯っているのも見えますね。

イメージ 11 ▲ランタオ島全景。空港や「港珠澳大橋」などがこんなにはっきり見えるなんて。