毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

台湾本島東沖を飛ぶ(2017年月イチ日本・9月編;その10)

イメージ 14 ▲香港到着後に見かけたキャセイの最新駅A350。一度は乗ってみたいものだ。

 2017年9月21日、台湾の砂漠。
 
 波照間島が見えてから更に20分弱ほど飛ぶと、台湾本島が見えてきました。

 本島の海岸線のずっと手前にぽつりと一つ見えている島は、台東県の東約33kmのところに浮かぶ「緑島」。3,700人ほどが暮らす一周20kmほどの火山島だそうです。

 その奥の方にいる台湾本島の最南端部に近づいていき、台湾最南端の行政区画である屏東県の満州郷佳楽水風景区のあたりの海岸線から内陸に入り、台湾本島を東から西へ横切っていきます。左の機窓からは台湾本島最南端の岬「鵝鑾鼻(がらんび)」が見えていることでしょう。

イメージ 1 ▲左上奥の台湾本島台東市街地の東の沖約33kmに浮かんでいるのが手前に見える「緑島」。

イメージ 2 ▲台湾本島の最南端部が近づいてきました。

 この台湾本島最南端部の東海岸線に、一カ所、砂浜のビーチになっているように見えるところがありました。ここは、台湾最大の砂丘「九棚大砂漠」。「港仔砂漠」とも呼ばれ、恒春半島に吹き付ける激しい東北風によって海岸線の砂が九棚山の麓に吹きだまってできた大砂丘で、墾丁国家公園の最北東端、南仁山生態保護区の一部を成していて、ジープやバギーで最大斜度40度の大砂丘を疾駆できるそうです。

イメージ 3 ▲台湾本島最南端部にある大砂丘「九棚大砂漠」がよく見えます。鳥取砂丘より大きいのかな?

イメージ 4 ▲台湾本島最南端部の東岸の海岸線を見ながら、台湾本島を東から西へ横切っていきます。

 それからまた55分ほど、ファイナルアプローチに入って高度が下がりはじめ、徐々に香港が近づいてきました。出発前にアナウンスされていた悪天候は回避できたようで、全般に快適なフライトでしたが、その悪天候の影響かどうか、香港空港が混雑しているらしく、こちらのJL029便も海上でホールディング(旋回待機)をさせられました。

 やがて、香港九龍の西部、西貢区のいくつかの半島と70余に及ぶこまごまとした島々がまず見えてきます。その奥の方は大埔区で、船湾海の中に造られた世界で初めての海中淡水ダム湖「船灣淡水湖(Plover Cove Reservoir)」も見えています。これは香港で面積最大、容量第2位のダムです。

イメージ 5 ▲いよいよ香港が見えてきました。最初に視界に入るのは西貢区の小さな島々と深い入り江を持つ半島群。

イメージ 6 ▲その北側には船湾海があり、その中の海中淡水ダム湖「船湾淡水湖」も見えています。

 このあたりを過ぎると、鉛筆のようなロウソクのようなまち針のような高層ビルが密集する香港らしい風景が眼下に広がってきます。高度もだいぶ下がってきているので、新界エリアの新興ベッドタウンが手に取るように見えます。香港MTR馬鞍山線の大水坑(Tai Shui Hang)駅や恒安(Heng On)駅周辺は住宅ビルが林立しています。大水坑駅に隣接して建っているのは「錦泰苑(Kam Tai Court)」でしょうか。

 大水坑駅や「錦泰苑」は、城門河が沙田海、船湾海に注ぐ河口部の東岸にありますが、その城門河をはさんで西岸に広がるのが、香港中文大学のメインキャンパス。僕も90年代にここのサマースクールに通って中国語を勉強したものです。なつかしいなあ。

イメージ 7 ▲下の方の線路に屋根がかかってる部分がMTR馬鞍山線大水坑駅。奥の方に恒安駅も見えてます。

イメージ 8 ▲香港中文大学メインキャンパス全景。右下あたりにMTR(旧KCR)東鉄線の「大学」駅があります。

 飛行機はこのあたりから新界地区を東から西へ横切って、空港のあるランタオ島へと向かって行きます。

 新界地区の中央部は香港でも有数の山岳地帯であり(山岳と言っても別にすごく高い山があるわけじゃないけど。)、香港最高峰である「大帽山(Tai Mo Shan)」の頂上を見下ろす形で上空を抜けて行きます。

 香港最高峰「大帽山」の標高は957m。それでも最高峰かという程度の高さですが、真冬には香港といえども頂上付近では霧氷とか霜とかみぞれのようなものが見られることがあり、初心者でもトレッキングができるので、実はけっこうな人気スポットになってます。その頂上付近の標高950m地点には、「香港天文台(Hong Kong Observatory)」(日本の気象庁に相当する政府機関)の「気象レーダーステーション(Weather Radar Station)」があり、香港で最も高いところにある展望台にもなっています。今回は、そのボール状のレーダーなどが本当に手に取るように見えましたよ。

イメージ 9 ▲香港最高峰「大帽山」の南側を通過。

イメージ 10 ▲「大帽山」の頂上付近には、「香港天文台」の気象観測施設があって、手に取るように見えました。

 「大帽山」など新界エリアの山を越え、「大欖涌水塘(Tai Lam Chung Reservoir)」を右手にやり過ごすと、屯門地区の中心部が海岸線沿いに見えてきます。このあたりが新界エリアの最東端部なので、香港空港へ北側から進入する飛行機で到着する場合は、東から西へ抜ける間に、香港の変化に富んだ様々な地表の景色を楽しむことができますね。

 こんなに地上の景色がよく見える香港も珍しいなと思っているうちに、14:04、RWY25Rにランディング。この日の飛行時間は、4時間09分でした。悪天候回避のためにルート変更したはずですが、それで飛行時間は余計にかかったのかしら。

 そして14:13に25番ゲートにスポットイン。降機して、最寄りの乗継連絡ルート「Transit W1」へ行くと、ほとんど誰もいなくて、あっという間に乗継手続き完了。次のフライトのゲートへと歩を進めます。

イメージ 11 ▲「大帽山」の西側に広がる「大欖涌水塘」。

イメージ 12 ▲新界エリアのほぼ最東端に広がる屯門地区の街並み。

イメージ 13 ▲悪天候を迂回して、結局40分ほどの遅れで香港に到着したJL029便。