毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

愛媛松山でハモしゃぶなど。(2017年月イチ日本・夏休み編;その24)

イメージ 5 ▲夏に西日本に来たならばぜひ食べたいハモ、なんとしゃぶしゃぶですよ!

 2017年8月15日、夏の旬。

 お盆に訪れた愛媛松山では、今回も我が師匠がもてなしてくれました。まず、いよてつ横河原線久米駅近くの温泉施設「東道後のそらともり」へ行って、長風呂。独特のヌメリがあるph9.0のアルカリ泉は、肌触りがよく、リラックス効果バツグンです。いろんな種類のお風呂を渡り歩いて長居してしまい、すっかり脂が抜けてしまいました(笑)。

 そのあとも、いつもどおり、師匠に案内されて「国際ホテル松山」へ行き、ホテル内の和食レストラン「吉長」で夕食をごちそうになりました。師匠、いつもありがとうございます!

 風呂上がりの体に冷えたビールをまずは流し込んでクールダウン。つまみは先付の「胡麻豆腐」とお造りの「トロ 鯛 海老」。うーん、うまい(写真ないけど。)。

イメージ 1 ▲煮物は「茂魚煮付」。このサカナ、初めて食べた。

 続いて煮物。出てきたお皿に載っているのは、見たことない魚。下あごが大きく、いわゆる一般的なサカナの形というよりは、頭の方から尾の方へ向けてすぼまっていて、なんとなく身が平たい感じがします。皮の色は黒い。師匠に「このサカナはなんですか」と問うと、これは「アコウ」だという。「アコウ」?聞いたことない。漢字では「茂魚」と書き、関西や瀬戸内で「アコウ」と呼ばれているそうで、ハタの仲間らしい。関西では夏はハモかアコウかと言われるほどの、初夏が旬の高級魚だそうで、ほろほろと淡泊な身と、ゼラチン質の肉がまとわりついてなめらかな舌触りが楽しめる大きな下あごと皮の部分、これはおいしい魚でした!

 煮物に続く焼き物は「牛フィレロースト」。大根おろしがたっぷりと載せてあって、さっぱりとした味わい。これもおいしかったー。肉にはビールが合いますな。

イメージ 2 ▲焼き物は「牛フィレロースト」。添えてあるブロッコリー、カボチャ、プチトマトの彩りもステキ。

イメージ 3 ▲大根おろしをたっぷりと載せた「牛フィレロースト」。タレが染み込んでいてウマイ。

 ハモかアコウかと言われるほどの初夏が旬の高級魚「アコウ」の煮付けを食べたばかりだというのに、次なる鍋物には、ハモまで登場。師匠、いいんでしょうか、こんなごちそうをいただいちゃって??
 
 僕はもしや初めて食べるんじゃないでしょうか、「鱧しゃぶしゃぶ」、いわゆる「ハモしゃぶ」というやつですな。

 眼前に運ばれてきたのは、丁寧に骨切りされたナマのハモの切り身。上にけっこうたっぷりミツバが添えられているのもうれしい。中国ではミツバを食べる機会はほとんどないですからね。

イメージ 4 ▲アコウに続いてハモまでもいただけるなんて。

 傍らには、タマネギを入れただし汁の土鍋があり、これが沸いてきたところで、ハモの切り身をしゃぶしゃぶっとやって、いただきます。ハモじゃぶのだし汁にはタマネギが欠かせないのだとか。

 だし汁の中で切り身が真っ白な花が開いたようになったら、ミツバ、タマネギとともにだし汁も一緒にお椀に取り分けて、真夏ですがアツアツのところをフウフウ言いながら食べると、これがたまらなくウマイ。まさに旬。ぜいたく。北日本の人間にとって、ましてや今中国に住んでいる人間にとって、ハモは実になじみのない食材でありまして、こうして師匠のおかげで、ごくごくたまに味わうことができて、ホントありがたい。同じようになじみのない食材にフグがあるけれど、フグは特には食べたいと思わないが、ハモなら大いに食べたいです!

イメージ 6 ▲タマネギが欠かせないだし汁の中で、ハモが白い花のように開いてきます。

 最後は「鯛茶漬け」。愛媛産の養殖真鯛の国内シェアは50%強で、愛媛兼は真鯛の生産量日本一。だからかどうか、愛媛の有名な郷土料理の一つが「鯛めし」。しかも愛媛県内には二つのタイプがあり、中予~東予地方の「鯛めし」は、焼いた鯛を昆布だしで炊き込んだ、いわば鯛の炊き込みごはん。宇和島市など南予地方の「鯛めし」は、鯛の刺身を生卵入りのタレに漬けてタレごと温かいごはんにかけたもの。どちらももちろんおいしいのですが、こちらのお店の専門は京料理ですからして、最もシンプルな「鯛茶漬け」をいただきます。ごはんの上に、細めに切った鯛の刺身が載り、ごまだれのようなものに刻んだシソとわさびがちょこんと添えられ、そこへ熱いほうじ茶を回しかければ、鯛に熱が通って食べ頃に。あっさりなのに味わい深くて、ため息が出ます。

 そして〆めのデザートは、真夏らしくしゃくしゃくのシャーベット。ああ、ごちそうさまでした、師匠。

イメージ 7 ▲上品で味わい深い「鯛茶漬け」。

イメージ 8 ▲熱いほうじ茶を注いで、たれと薬味が混じり合い、鯛に少し熱が通ったところでサラサラと。

イメージ 9 ▲最後はしゃくしゃくのシャーベットでさっぱりと食事を〆めます。