毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

「やまびこ」でグランクラス(前編)

イメージ 2 ▲新青森駅から乗った「はやぶさ24号」は北海道の形をモチーフにしたロゴが入るH5系車両でした。

 2018年8月19日、南部鉄器。

 青森駅13:16発の津軽新城行き普通列車4630Mに一駅だけ乗って、13:21に新青森駅着。新幹線乗り換え口ではなく、在来線改札口を出て「みどりの窓口」の方へ行ってみると、長蛇の列でごった返していて、空席情報を示すディスプレイの上り新幹線はひたすら×印が並び、どの列車も満席状態で、とても他の列車に変更できるような状況ではありません。試しにJALのHPを見てみたら、最終便に空席が1席出ていたけれど、普通運賃しかなくて34,090円。これならグランクラスの方がまだ安い。しかたない、「はやぶさ24号」普通車指定席+「やまびこ52号」グランクラスという組み合わせで行くしかない。

イメージ 1 ▲盛岡駅にて、「こまち24号」との連結を見ようと家族連れが大勢待ち構えてます。

 「はやぶさ24号」は新函館北斗から13:50に新青森駅に到着。なんと、ライラックやルピナス、ラベンダーなど北海道らしい色を思わせる「彩香パープル」の帯が入ったH5系編成ではないですか!車側には「『北海道の雄大さ』と北海道に飛来する『シロハヤブサ』をモチーフにしたJR北海道独自のデザイン」のロゴマークが描かれていて、「彩香パープル」の帯によく合っています。最後尾10号車の後ろ寄りドア脇には「青函トンネル開業30周年」のロゴマークも入っていますね。このロゴは、4編成しかないH5系のうちの1編成にしか施されていないとのことなので、ラッキー中のラッキーでした。

 僕が乗ったのは7号車の9番C席。盛岡から先は満席との表示ですが、盛岡までは〇印だったので、新青森駅発車時は満席というほどではなく、空席もそこそこ見受けられ、9番A、B席とも空席のままで新青森を発車しました。この2席は八戸で埋まりましたが。

 新青森駅を13:52に発車し、途中八戸だけに停車して、盛岡には14:44の到着。僕はここで下車。このあと「こまち24号」が秋田からやってきて併結されるので、連結部分には大勢の家族連れが集まって「こまち24号」の到着を待っています。併結作業はあいかわらず大人気ですね!

イメージ 3 ▲H5系4編成のうち1編成にしか施されていない「青函トンネル開業30周年」のロゴマークも。

 「はやぶさ24号」を降り、反対側のホームへ移動しようと階段を下りると、新幹線コンコースには巨大な南部鉄瓶が置かれているのを発見。これは「大鉄瓶 南部形霰紋(だいてつびん なんぶかたあられもん)」という作品で、1970年に岩手県で開催された「みちのく国体」を記念して南部鉄器協同組合が製作したものだそうです。直径85cm、高さ140cm、容量約210リットル、重さ約330kg。17世紀中頃、南部藩主が京都から盛岡に釜師を招き、茶の湯釜をつくらせたのが始まりといわれる「南部鉄器」、岩手県を代表する伝統工芸品ですが、僕も一ついい鉄瓶を手に入れてみたいものです。そういえば、横溝正史の「病院坂の首縊りの家」では、南部風鈴の内側に刻まれた文字を頼りに金田一耕助が岩手水沢の風鈴鋳造場を訪ねるというシーンがあったなあ……

イメージ 4 ▲盛岡駅新幹線コンコースにある「大鉄瓶 南部形霰紋」。