毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

至高の響き TANNOYのスピーカー(2017年月イチ日本・夏休み編;その14)

イメージ 4 ▲旅館「花もみじ」自慢のハイスペック音響機器が並ぶロビーラウンジ"あじさい"。

 2017年8月13、14日、クラシックCDコンサート。

 おいしい夕食をたっぷり食べて、またひと風呂浴びたあとは、1階のロビーラウンジ"あじさい"へ行ってみます。

 ロビーラウンジ"あじさい"では、19時から22時まで、ドリンクサービスがあり、コーヒーやお茶だけでなく、ワインなどの酒類も無料で好きなだけ飲むことができます。特にウイスキー類は充実してて、グランフィディック、マッカランなど8種類ほどのボトルが置かれていて、自由に自分のお好みの飲み方で楽しむことができるんです。

イメージ 1 ▲"あじさい"では、19時からフリードリンクのサービスタイム。

イメージ 2 ▲アルコール類も充実。シングルモルトの有名どころなど8種類のボトルが並ぶ。

 ラウンジ内にはゆったりとした間隔でテーブルが並び、何組かの宿泊客がゆったりと集って思い思いに過ごしています。特に、正面中央には大きな背もたれが深めにリクライニングした一人掛けのソファーが4つ並び、とりわけ心地よさそう。

 この4つ並んだソファーの真ん前に鎮座しているのが、おそらくマニア垂涎の世界名門メーカーのスピーカーやアンプなど高級音響機器が置かれ、ここでは毎晩、ドリンクサービスの時間に会わせてCDコンサートが行われいるのです。
 使われているのは、1925年に大阪で創業し、その醸し出す音は「ラックストーン」と呼ばれ、ピュアオーディオ界で強いブランド力を持つラックスマンのアンプと、1926年にロンドンで創業したイギリスのスピーカーメーカー「TANNOY(タンノイ)」のスピーカーの組み合わせと、ケンウッドの創業者らが1972年に立ち上げた高価格帯のピュアオーディオに特化した日本の音響機器メーカー「アキュフェーズ」のアンプと、イングランド南部ウェスト・サセックスにあるワージング(Worthing)というタウンで1966年に創業した「Bowers & Wilkins」(俗に「B & W」)」のスピーカーの組み合わせ。

 外側に置かれた木枠のスピーカーが「TANNOY」社製で、「花もみじ」としては特にお気に入りのようで、スピーカーの上に説明プレートが載せてありました。それによれば、このモデルは「G.R.F. MEMORY/HE」といい、お値段は1台64万円!「G.R.F」とは「TANNOY」の創始者ガイ・R・ファウンテン(Guy Rupert Fountain)のイニシャル。中低域でのずっしりと重心の低い芳醇な歌いぶりを約束する内容積220リットル、全質量62kgというなんとも堂々とした体躯であります。

 その音の違いは、素人の僕にはよくわからないけれど、演奏中のクラシック音楽のしらべの心地よさはたまらない。いちおう「コンサート中のご歓談はご遠慮ください」ということになってはいるのですが、温泉に浸かってリラックスし、夕食にごちそうを食べ、グループで家族でドリンクを飲みながら……となれば、歓談するなと言われてもそれはちょっと難しい。せっかくの高級音響機器を使っての音なので、静かな環境でじっくり耳を傾けてみたいというのもあるけれど、こういう日常から離れたリラックス空間を自由に過ごしても、まあいいよね。

イメージ 3 ▲音響機器の真正面のあのソファーに座って音楽に耳を傾けたいものだ。

 明けて8月14日、お盆のまっさいちゅうです。

 この旅館「花もみじ」は、全80室。お盆期間中なのでほぼ満室のはずで、社員旅行のようなかなり大きな団体さんが前夜宴会で大いに盛り上がっているのも見かけました。すっごいたくさんの人が泊まっているんだと思うんですが、館内のどこにいても、混み合っているという感じがありません。全体に広いつくりになっているからでしょうか。特に1階のロビーフロアは広々としていて、その中を混み合わない程度の宿泊客たちが思い思いに行き来していて、ゆっくり過ごせたなという心地よさがあります。

 早起きして、まずは朝風呂。最上階の12階にある「展望浴殿 風月」には前夜も入ったけれど、明るくなってからまた入りに行くと、夏真っ盛りの定山渓の渓谷や山々が見えて、実に爽快。ついでに、男女入れ替え制で夜は女性用になるので前夜は入れなかった2階の「もみじ湯」にも行ってみる。こちらはこちらで広い湯船にゆったりと浸かれて、気持ち良し。国内外で人気のシャンプーを約10種類取り揃えた「シャンプー・バー」があるのは女性には大いに受けるでしょうが、髪とはあまり縁のない僕にはまあどうでもいいか(笑)。

 朝風呂を堪能して、朝ごはんをたっぷり食べて、おみやげ買って、もっとゆっくりしていたいけど、チェックアウトの時間です。「花もみじ」、とても良いお宿でした。そういえば、さっき「展望浴殿 風月」に入っていたとき、他のお客さんが、毎年お盆の時期に「花もみじ」に泊まりに来ているという話をしているのを耳にしました。確かに、ここは毎年来たくなるお宿だなと思いました。また来たいなあ。

イメージ 7 ▲広々とした1階ロビー・フロア。

イメージ 5 ▲前夜CDコンサートが開かれていたラウンジ"あじさい"。朝7時から10時までも朝のコーヒーなどをサービス。

イメージ 6 ▲1階ロビー・フロアの一角。「花もみじ」という名のとおりの暖かな色合いの調度です。