毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

吉林省で洪水発生(2017年月イチ日本・夏休み編;その2)

イメージ 1 ▲CZ627便のいつもの機内食。朝なので何か食べられるだけでありがたし。

 2017年8月12日、蛇行する濁流。

 離陸後40分ほどで、機内食のお時間。チキンとポークから選択でき、僕は今回はポークをチョイス。アルミのトレーの真ん中に白いごはんが盛られ、その片側にセロリやタマネギと一緒に煮込んだポークのうま煮風、反対側にはセロリとニンジンを刻んで茹でたのが詰めてあります。ほかには、山菜などとソーセージのサラダ、冷たい丸パン、そしてヨーグルトがあり、朝食としてはこれで十分。セロリは嫌いだが、腹が減っているので完食。

イメージ 2 ▲チキンとポークからポークをチョイスすると、このような感じ。

 さっき眼下に見えていた敦化市上空からさらに東へ飛ぶこと約8分、眼下には激しく蛇行する川が見えています。この川は、図們江最大の支流・嘎呀河。水流は真っ茶色で、濁流になっているように見えます。吉林省図們市石峴鎮水南村あたりかと思われますが、川に突き出たところに見える集落はだいじょうぶでしょうか。浸水とか冠水とかしてないでしょうか。

 というのは、2017年の7月下旬は、吉林省を中心に豪雨の被害が出ていたんですね。当時の「延辺日報」などによりますと、梅雨前線の影響で雨が降り続き、延辺朝鮮族自治州内では、19日20時から20日16時までの降水量が100ミリを超えた観測地点は32カ所、50ミリを超えた地点は234カ所で、嘎呀河の一部では水位が警戒レベルを超えて上昇を続けているほか、各地では住宅地、農地の浸水や堤防の決壊、橋の流出が相次ぎ、州内では20日午後11時の時点で9235人が避難し、延辺と長春、牡丹江を結ぶ鉄道も運転見合わせている、という状況だったのです。なので、上空から見えたこの褐色の濁流が氾濫しているように見えたんですね。

イメージ 3 ▲激しく蛇行する川が見えてきました。

イメージ 4 ▲7月下旬から浸水や堤防の決壊が起きるほどの豪雨が続いているエリア、見えている集落はだいじょうぶか?

 更に東へ5分ほど飛ぶと、海岸線が見えてきました。小さな島もいくつか見えます。ロシア沿海地方ハサン地区の町スラヴャンカ(Славянка)やペレヴォスナヤ(Перевозная)、 ベスヴェルホヴォ(Безверхово)など、ウラジオストクの南側の海岸線です。美しい弧を描いたビーチは、ペレヴォスナヤとベスヴェルホヴォの間にあるナルヴァの入り江の海岸線です。

 ところで、CZの瀋陽~東京成田便は、機内ディスプレイでいつも中国語字幕付きの日本映画を上映するのですが、なぜだか今回はやらないなあ。ヘッドホンがないから字幕を見て音声を想像するしかないので別にいいんだけど。

イメージ 5 ▲瀋陽離陸後ちょうど1時間でロシア沿海地方の海岸線が見えてきます。

イメージ 6 ▲美しい弧を描くビーチはナルヴァの入り江。

 そこから1、2分で、CZ627便はウラジオストクの中心部が見えてきます。

 日本海最大の湾である「ピョートル大帝湾」の真ん中には、湾を東西に分ける長さ30km、幅12kmの「ムラヴィヨフ=アムールスキー半島(Полуостров Муравьёва-Амурского)」が突き出ていて、湾の西側はアムール湾、東側はウスリー湾になっています。その先端の「金角湾(Бухта Золотой Рог)」周辺にウラジオストクの街が広がっています。半島の先端の南というか対岸には「ルースキー島(остров Русский)」があり、海水浴場、ネイチャーウォッチング、要塞跡地巡りなどの観光開発が進み、ウラジオストク市民が気軽に行けるリゾート地になってきているそうです。

 ウラジオストク市街地とルースキー島との間にある東ボスポラスに架かっているのが全長3,100mの「ルースキー島連絡橋(Мост на остров Русский)」。高さ324mの橋脚兼主塔が2本あり、その間隔が1,104mというのは世界最長だそうです。この日はこの橋もはっきりと見えました。

イメージ 7 ▲左側が「ムラヴィヨフ=アムールスキー半島」、右が「ルースキー島」、その間が「東ポスポラス海峡」。

イメージ 8 ▲東ボスポラス海峡にズーム。右側に広がっているのが「ルースキー島」。

イメージ 9 ▲「ルースキー島連絡橋」にズーム!間隔が世界一長い橋脚もよく見えてます。