毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

オルデ・ハンザ(初欧州大陸はエストニア;その12)

イメージ 1 ▲中世の金持ちドイツ商人邸として建てられた建物を改造したレストランで中世へタイムトリップ。

 2017年7月10日、中世気分。

 Sauna通りを抜けてVäike-Karja通りに出て、すぐに合流するSuur-Karja通りをゆくと、突き当たりにあるのが「オルデ・ハンザ(Olde Hansa)」というレストラン。「Olde Hansa」とは「old German」、「年寄りドイツ人」てなぐらいの意味でしょうか。薄いクリーム色の壁の3階建て(屋根裏部屋も含めると4階建てか。)のこの建物は、中世の金持ちドイツ商人邸として建てられた建物の倉庫部分だそうで、これをレストランに改造し、15世紀当時のレシピで作った料理だけでなく、中世風音楽なども楽しめ、古き良きハンザ同盟都市時代をしのぶことができます。

イメージ 4 ▲レストラン「オルデ・ハンザ」の入り口。

イメージ 7 ▲「オルデ・ハンザ」が面する「Vana turg通り」。にぎやかです。

 レストランの入り口脇には、中世的な看板が。きっとこれはタリンの旧市街の中でもとびきりの名物看板なんだと思う。これと相対せずしてタリンに行ったというなかれ、みたいな(笑)。挙げた右腕の下に吊した黒板には「うちの中世の館へようこそ。金持ち商人がアナタを歓迎するぜ」と書いてますね。

 ちなみに、この看板を撮った下の写真には、看板の人形の右に黄色い中世の衣装をまとったふくよかな婦人が写っており、これも人形のように見えますが(笑)、このご婦人はホンモノです。動いてます。歩いてます。「オルデ・ハンザ」の看板婦人のようであります。

イメージ 2 ▲おそらくタリン旧市街の中の名物の一つだと思われる「オルデ・ハンザ」の人形看板。

イメージ 3 ▲「オルデ・ハンザ」前には中世の衣装を着た売り子さんが立つ露店があります。

イメージ 5 ▲売っているのは「オルデ・ハンザ」のスイート・アーモンド。

 また、「オルデ・ハンザ」の前には、馬車の荷台を模した露店を出して、中世の服装を着込んだ売り子さんが立っています。打っているのは「オルデ・ハンザ」のスイート・アーモンドのようです。ここで立ち止まって売り子さんと言葉を交わしながら買い物に興じれば、本当に中世にタイムスリップしたような気分になれそうです。

 この露店の前で見上げれば、目の前には「旧市庁舎(Tallinna raekoda)」の尖塔がそびえています。1372年にこの場所に市庁舎ができ、1404年に現在の石灰岩のゴシック建築が建てられたということで、北欧に現存する最古のゴシック建築だそうです。尖塔を見ると、我々みたいな日本人はすぐ教会だと思ってしまいがちですが、この尖塔は1781年に増築されたバロック様式で、高さは65m。ま、市庁舎に尖塔があったって別にいいですよね。

 旧市庁舎は、現在は迎賓館やコンサートホールとして使われていて、内部の見学もできるそうですが、今回は時間の関係もあって入れませんでした。ハンザ同盟都市時代に市民たちが自治を行い、法廷としても使われた「議会の間」などが見られるそうです。

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                 ▲1404年竣工の旧市庁舎。尖塔は1781年に建て増したもの。