毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

青森市内で刺身を食べるなら、ココ!(2017年月イチ日本・6月編;その7)

イメージ 7 ▲ホタテの貝焼き。ぷりぷりで香ばしすぎ!ヒモもつけてくれればなおよいのだが。

 2017年6月26日、近海もの目白押し。

 この日は青森のおいしいものを食べようということで、お気に入りのお店にいきました。青森市役所と日銀青森支店の間の小路を国道から南へ少し入っていったところにある「酒菜 調製 嘉一 」さん。この「調製」という文字がどうしても気になる店名。仕出し屋さんではないかと間違いそうです。

 中に入ると広い板敷きのスペースにテーブルが並んでいて、個室はありませんが、入ってすぐ左のテーブルが他から離れて独立しているいので、この席がとれれば快適度倍増です。

イメージ 9 ▲日銀青森支店裏の小路にある小さなお店「酒菜 調製 嘉一」さん。

 その快適席に腰を落ち着けて、まずはビール。突出しは夏らしくホヤの水物、マトウダイの南蛮漬け、そして桜姫鶏の治部煮とカブ。夏の旬・ホヤの水物に添えてある野菜はもちろんミズ。桜姫鶏はもともと上北郡横浜町の「日本ホワイトファーム」で生まれた地鶏です。それを治部煮にして青森のカブと合わせるなんて……この突出しだけでも「スゴイ」と唸らされます。これは日本酒がほしくなる。涼やかなガラスの酒器で、黒石「亀吉」なんぞを冷ややかにいただこうではないですか。

イメージ 1 ▲突出し三種。ホヤの水物、マトウダイの南蛮漬け、そして桜姫鶏の治部煮とカブ。

イメージ 2 ▲涼やかなガラスの酒器できりりと冷えた地酒をいただきます、どうしても(笑)。

 僕がこのお店をイチオシする最大の理由は、お刺身がずば抜けておいしいこと。青森県近海で獲れて青森の漁港にあがったものがほとんどなんですが、他のところではなかなかお目にかかれも食べもできないようなお刺身がたくさんあって、しかも新鮮でものすごくおいしいんです。

 まずは青森に帰ってきたなら食べずにはいられないヒラメ。陸奥湾産です。次は、深浦にあがったアマダイの昆布締め。たまらない。そしてこれも深浦に上がった本アラ。青森ではたまにしかあがらず、幻の魚とも呼ばれる高級魚らしい。この白身魚三種揃い踏み、地酒の進み具合が加速します。どのお刺身にも湯引きした皮がついていたり、青森らしく食用菊が添えてあったり、そこここに工夫が見られます。

イメージ 3 ▲とにかく刺身がウマいこのお店のトップバッターは陸奥湾のヒラメ。

イメージ 4 ▲そして深浦にあがったアマダイの昆布締め。湯引きした皮の色も鮮やか。

イメージ 5 ▲青森ではなかなかあがらない本アラの刺身。食用菊が添えられているのも青森らしい。

 そして青森と言えばホタテ。最近、陸奥湾産ホタテの高騰が続いていて、お手軽度が下がっているという話も耳にしますが、やはり青森に帰って来ると食べたくなる。僕はホタテは刺身よりも断固塩焼きか醤油焼き。しかも、ホタテの貝殻に載せたまま焼き上げるヤツね。今回は醤油焼きをお願いしまして、大きな貝柱を薄く切って花のように開いた状態で焼いたのが出てきました。この焦げ目がタマラナイ。

 ホタテと言えば、もう一品。三陸めかぶ酢。めかぶは小さい頃から毎日のようにごはんのおかずに登場し、シャキシャキとネバネバの食感と酢の物の酸味がたまらないですが、中国ではまず食べられません。「嘉一」さんのめかぶ酢は、ガラス容器にたっぷり入って、その上にホタテの貝柱の刺身、そして紅葉おろしと刻みネギがトッピングしてあって、これまたさっぱり。初夏の爽やかさです。

イメージ 6 ▲この絶妙な焦げ目がタマラナイ。

イメージ 8 ▲三陸産のめかぶの酢の物。ホタテ貝柱の刺身も載って贅沢に仕上げてあります。