毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

興城古城(ANA機内誌でも特集掲載!;その1)

イメージ 7 ▲昔ながらの中国鉄路のサボ(シール式ですが)。車体が緑色なのもうれしいね。

 2017年6月10日、久々客車。

 久しぶりに中国国内の旅レポです。

 行き先は、遼寧省の南西、もうちょっとで河北省というあたりにある「興城」というところ。このブログにも過去記事がありますが、久しぶりの再訪です。

 今や中国国内の鉄道は、高速鉄道網が張り巡らされ、幹線、準幹線はもうほぼ高速鉄道で網羅されたと言ってもよいでしょう。いろいろな場所へ短い時間で行けるようになったのはよいことですが、「中国鉄路」と言えば「客車列車」だっただけに、高速鉄道網の整備に伴って次々に客車列車が淘汰されていくのは実に忍びないものであります。

 そんなわけで、今回「興城」に行くにあたって、往路は敢えて、時間が4倍ぐらい余計にかかる客車列車を選んでみました。

イメージ 1 ▲日本のそこらの地方空港のターミナルなんかよりはるかに広くてでかい瀋陽北駅の待合室。

イメージ 2 ▲列車案内LED。近くは大連、長春、北京、遠くは武漢、西安、寧波などの地名が並ぶ。

 やってきたのは朝の瀋陽北駅。高速鉄道が走るようになって駅舎も拡張され、巨大です。ムダに巨大です。何もこんなに大きく作らなくたって。

 空港のターミナルビルのような空間の両側に、改札口がずらりと並んでいます。ホームごとに改札があるという構造で、右手前からA1番改札、左手前からB1番改札で、それぞれ13番改札まである感じ。

 LED表示の列車案内には、各方面行きの列車がずらり。列車番号にGがついているのが高速鉄道、Dがついているのが高速鉄道車両で運行されるが専用線を走るわけではないのでそんなに速度が出ない列車(「動車組」といいます。)、それ以外がいわゆる昔ながらの「客車列車」です。

 改札は、発車時間が近づかないと、始まりません。改札口はおおむね自動化され、磁気式になっていない赤色の切符の人は、一カ所だけ開く有人改札口を通ります。始発列車であってもなかなか改札口を開けてくれないので、いざ改札が始まると大量の利用客が改札口に殺到するのは、程度の差こそあれ、昔とそんなに変わっとらんなあ。

イメージ 3 ▲ホーム毎に設置されている改札口。発車時間が近くならないと開いてくれない。

 今回乗るのは、瀋陽北駅発8時ちょうどの「あずさ2号」、じゃなくて、K2048次列車。行き先は西安で、瀋陽北駅から西安までの運行距離は2,166km、所要時間は30時間44分で、終点に着くのは翌日の14時44分です。

 できることなら寝台車を確保して、のんびり終点まで乗り通したいところですが、今回の行き先は興城。興城までは瀋陽北駅から371kmで、所要時間は5時間51分。なので、普通の座席車で行くことになります。

 これまた無用に天井の高いホームに下りると、昔懐かしい緑色の客車が停まっているではありませんか!いえ、もちろん、この緑色の客車は古いものではなく、それなりに進化を遂げた新しい車両で、窓はあまり開かず、空調付きだったりするのですが、緑色に塗られた客車を見ると、「緑皮車」と呼ばれて中国全土を走っていた時代を思い出してノスタルジーを感じる中国人も少なくありません。

イメージ 4 ▲こんなに屋根が高くて風雨をしのげるのかというほどの、巨大な造りのホーム。

イメージ 5 ▲みなさん、ぞろぞろと指定された車両へと乗り込んでいきます。

イメージ 6 ▲最後尾車両の18号車。客車の連結面だけに、無骨な感じ。

 サボはステッカーを貼り付けるタイプで、付け替えはできません。「快速 瀋陽北 西安 K2048/45 K2046/47」とあり、この編成はこの運用にしか使われないということですね。

 我々が乗り込んだのは、最後尾の1号車。通路をはさんで4人掛けのボックスシートと6人掛けのボックスシートがずらりと並んでいるという構造は昔と変わらないけれど、昔と違って、さすがにシートはビニール針の直角座席ではなく、いちおう1席ずつヘッドレスト部分に白いカバーがついていて、ちょっとかためのソファーのような座り心地。照明もなんとなく間接照明っぽい造りで、窓ははめ殺しで空調付きです。

 さて、超久しぶりの客車列車の旅、どうなることやら。

イメージ 8 ▲4人掛けボックスと6人掛けボックスが並ぶ構造は変わらないけど、乗り心地はかなり向上。