君がひとつ僕がふたつ、梅ヶ枝餅。(念願かなってセイロンティーの旅;その59)
▲こんがり焼き上げたアツアツできたての「梅が枝餅」。梅の花の押し型がついてます。
2017年5月1日、太宰府は春、いずれにしても春。
太宰府天満宮の参拝を終え、参道へと戻ってきました。
いやーそれにしてもすごい人出。おまけに初夏のような陽気の中をけっこう歩いたので、くたびれた。
ここほちょっと一服しなければ。
ここほちょっと一服しなければ。
参道の両脇には、甘味処やらショップやら食堂やらなんやらかんやらがぎっしりと並んでいて、いろんな名物も目白押しなので、目移りしまくりですが、何はともあれここは「梅ヶ枝餅」でしょう。
「梅ヶ枝餅」の由来にはおおむね二通りあるようで、左遷されてきていた菅原道真にいつまでもしょぼくれてんじゃねえ、がんばれやと、もともとここにあった安楽寺の門前で餅売りを営んでいたおばあちゃんが餅をあげたところ、菅公がこの餅を気に入ったという説。もう一つは、菅公亡きあと、おばあちゃんが梅の枝を添えて餅を墓前に供えたから、または、幽閉されていた菅公に、梅の枝に餅を刺して幽閉部屋の格子越し餅を差し入れたからという説。
どの説にしても、梅ヶ枝餅そのものは梅とはなんの関係もない、小豆あんが入った焼き餅であります。
▲明治中期の建物がそのまま残る梅ヶ枝餅店「甘木屋」さん。
そこで、境内から出てすぐの参道入口の左にある梅が枝餅店「甘木屋」さんにおじゃま。
明治中期頃に建てられたという木造三階建の店舗が今もそのまま使われています。奥が喫茶室になっていて、格子窓からほのかに光が差し込んで暗めの店内は、古風な雰囲気で落ち着きます。
梅が枝餅は1個120円ですが、抹茶セットやアイスコーヒーとのセットもあります。こうしてお店の中で梅が枝餅を食べるのは初めてですが、焼きたては表面がぱりっとして、それからびよーんとのびるお餅の食感、そして大好物の小豆あん、とーてもおいしいです。
さだまさしの唄「飛梅」では、登場人物たるカップルが御本殿の更に北側の奥にある「お石茶屋」へ行って「裏庭を抜けて お石の茶屋へ寄って 君が一つ 僕が半分 梅が枝餅を食べた」とある。もう彼女との関係は終わりなんじゃないかと気が気でない「僕」は梅が枝餅を半分しか食べられないのだが、僕は2個も食べちゃいましたよ。あーおいしかった。
▲抹茶セット。小豆あんの甘さと抹茶の苦さがとてもよく合います。