あれに見えるは(念願かなってセイロンティーの旅;その32)
▲快晴の青空をバックにホテル「Heritance Tea Factory」全景。
2017年4月24日、茶摘みじゃないか。
あまりにも気持ちのよい朝なので、朝食後はさっそく外に出てみました。うーーん、さすが標高約2,000m、涼しい~~。というか、ひんやりするぐらいです。
ホテル正面玄関前には、部屋の窓からも見えたオープンテラスがあり、ここから眺める茶畑の斜面がなんとも目に鮮やかな緑で、爽快です。隣の建物の裏庭は植え込みが幾何学模様のように美しく手入れされ、しかも迷路を作っているかのように配置されているのが見えます。
▲オープンテラスから眺める目に鮮やかな緑の茶畑。
▲隣の建物の裏庭は、美しく刈り込まれた植え込みが迷路を作るように配置されています。
この隣の建物は、入口の方へ行ってみると、「ORGANIC MINI TEA FACTORY」という看板が出ていました。ホテルで茶摘み体験を申し込むと、このミニ製茶工場で茶摘み用の民俗衣装に着替えたり、茶摘み体験とセットで工場見学と紅茶の製造方法の説明を受けたりするのだそうです。母屋の方はホテルに変わってしまいましたが、このミニ製茶工場では今も「ヘザーセット・ファクトリー」の流れを汲む紅茶が作られ続けているのですね。
▲ミニ製茶工場では茶摘み体験や工場見学、紅茶製造方法の説明などができるそうです。
ミニ製茶工場の入口の近くに、別の石碑を見つけました。
「IN MEMORY OF TSUNAMI VICTIMS 26. DEC. 2004」と記してあります。
こんな山間地帯で津波?と思いましたが、2004年12月26日に起きたいわゆる「スマトラ島沖地震」では、スリランカでも甚大な被害が出たのでした。マグニチュード9.1という巨大地震によって大津波が発生し、スリランカではすべての海岸線で被害が発生し、35,322人が死亡、負傷者数16,637人、行方不明5,637人、家を失った者は83万人以上にのぼったそうです。これは知らなかった。スリランカがこれほどの被害を受けていたとは。まさに国家の大惨事であり、だからこのような標高の高い場所にも、あの津波の被害を忘れてはいけないと、石碑が建てられているのでしょう。
▲2004年の「スマトラ島沖地震」で受けた津波の記憶を風化させないために。
ホテルの裏の方へ行ってみると、敷地の外はすぐ目の前からもう茶畑です。おお!今はクオリティシーズン、つまり茶摘みの最盛期ではないはずですが、茶摘みをしている人がいるではないですか。
こちらでの茶摘みの伝統的なスタイルとして、積んだ派を入れる布袋を頭から背中へ吊るしています。茶処ヌワラエリヤでごく普通に見られる茶摘みの風景なのでしょう。上にも書きましたが、ホテル「Heritance Tea Factory」では、スリランカの民俗衣装を着て、茶摘み体験をすることができるそうです。実際に茶摘みをしている姿を見ると、僕も茶摘みがしたくなってきたなあ(笑)。
▲ホテルの裏側に回ると、狭い道をはさんで茶畑がすぐ目の前に広がります。
▲茶畑の中には茶摘みをする人の姿が2人ばかり。
▲摘んだ茶葉を入れるために布袋を頭から背中に吊しているのがわかるでしょうか。
ホテルの正面玄関前には、スリランカ各地からの距離を記した石碑が縁石代わりに並べてあります。前夜にも見ましたが、シーギリヤからの距離は161km。前日は、ホテル・シーギリヤを出たあと、スパイスガーデンに寄り、キャンディの仏歯寺に寄り、お茶工場の見学までしたので、161kmを移動するのに丸一日かかりました。でも、セイロン島のど真ん中を北から南へと縦断するように移動したこの一日は、とても楽しかったですね。
▲朝の光の中で改めて「シーギリヤから161km」の石碑。