毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

いよいよセイロンティー・ワールドへ!(念願かなってセイロンティーの旅;その27)

イメージ 4 ▲セイロンティー4種の試飲。ここはまだミドル・グロウン・ティーかな?

 2017年4月23日、茶園からティーポットへ。

 ギャンポラの町の中心部を南に抜けてマハウェリ川を渡り、A5号線の南下を続けます。道は途中から急カーブの多いクネクネ道となり、全体的に上り坂で、運転がたいへんそう。キャンディ県からいつしかヌワラエリヤ県に入り、周囲にはいよいよ茶畑が見られるようになってきました。

 ギャンポラでマハウェリ川を渡ってから約25km、つづら折りの山道がほとんどだったので、距離にしてはかなりの時間をかけて運転手さんが連れて来てくれたのは、「Glenloch Tea Factory」という茶葉工場。たぶん観光コースの定番スポットなんだろうとは思いますが、工場の中を見学できるというのはうれしいです。

イメージ 5 ▲ヌワラエリヤ県Kothmale地区Katukithulaにある「Glenloch Tea Factory」。

イメージ 1 ▲いかにも工場って感じですね。

 「Glenloch Tea Factory」は、その設立こそ地味なものでしたが、創設者の中に、「紅茶王」サー・トーマス・リプトンもおり、やがてはスリランカを茶の世界四大産地へと押し上げることになるのです。リプトンが初めてセイロン島へやってきたのは、1890年。セイロン島視察後にウバ州の農園を買い取って紅茶の栽培経営に着手。その後も農園を買い足し、その規模は約22平方kmに及んだとか。「茶園からそのままティーポットへ」というキャッチフレーズは、その後「リプトン紅茶」の代名詞になりました。

 そんな「Glenloch Tea Factory」の建物の中に入り、製造工程をじっくり見学することができます。上の階にあるのは「萎凋(いちょう;Withering)」という工程を行う作業場。生葉に含まれている水分の約半分を平均的に取り除く作業です。下の階に下りると、そこは「揉捻(じゅうねん;Rolling)」場。茶葉を撚ることで茶葉の細胞組織を破壊し、葉の中にあるカテキンやペクチン、クロロフィルなどの酸化酵素を含んだ成分を外部に絞り出し、空気に触れさせて酸化発酵を促して形を整える作業で、紅茶の香り・味・コク・水色のベースをつくる決め手となる重要なプロセスです。

イメージ 2 ▲揉捻場で轟音をたてながら動く揉捻機。その上で茶葉が撚れていきます。

 そのあと「発酵(Fermentation)」、「乾燥(Firing)」の工程があり、ふるい分けをして袋詰めされていきます。

 こうして紅茶ができるまでを見学してからいただく紅茶は美味しいものです。ショップを兼ねた試飲場では、4種類のお茶を試すことができました。緑色を帯びたものから真っ黒いものまで、はっきりと4色に分かれた4種類のお茶は、それぞれに味わいが異なり、紅茶の奥深さが感じられます。

 最後はショップでおみやげを調達。缶の側面に工場の建物の絵が入った「The Golden Flush」を求めました。その絵の下には「Since 1867」と文字が入っていて、「Glenloch Tea Factory」が150年の歴史を擁していることがわかります。1年間のうち限られた数ヶ月の間にごく限られた量だけ栽培される茶葉から作られるという「The Golden Flush」、実はまだ自分では飲んでいないのですが、さぞや香り高くおいしい紅茶を楽しめることでしょう。

イメージ 3 ▲砂糖も一緒に出てきますが、砂糖なしで香りや味を試してみたいもの。

イメージ 6 ▲ショップで購入した「The Golden Flush」。工場の絵が描かれていておみやげに最適。