毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ライオン・ゲート(念願かなってセイロンティーの旅;その18)

イメージ 1 ▲迫り来るシーギリヤ・ロック、すごい迫力です。

 2017年4月22日、まるでスフィンクス。

 だんだんとシーギリヤロックが近づいてきました。

 シーギリヤロックは、マグマ溜まりから火口に至る火道の中のマグマが固まり、その周囲の火山が風化して、マグマの固まりだけが露出した「岩頸」と呼ばれるもので、楕円柱の形をしています。標高は約370mで岩頸そのものの高さは約195mだそうなので、我々はこれからあの周囲全部が垂直に切り立った岩の固まりの200mの高さにある頂上部へ登ろうとしているのです。いやー、ちょっと無謀なんじゃ……

イメージ 2 ▲かつてこの岩塊のところから火山の噴火が起きていたのかも。

 いよいよシーギリヤロックの足下に接近しますが、ここまでとここから先の境目のあたりにある巨岩には、階段状の刻みがつけられているのがわかります。これはかつて、この刻みを足場にして柱を立てたり梁を渡したりして、巨岩の上に石塀が築かれていた跡だそうです。王宮があったシーギリヤロックを敵の接近から防ぐ役割を果たしていたのでしょう。

イメージ 3 ▲後ろの巨岩の上に階段状の刻みがいれられているのがわかりますか?

 このエリアは「Boulder Gardens(巨岩の園)」と呼ばれ、様々な巨石が行く手を阻むように存在しているのですが、その中の二つの巨石が互いにもたれ合うようにくっついているその下に開いたわずかなすき間に階段が通っていて、ここからいよいよシーギリヤロックの岩肌に手が届く足下へと近づいていきます。

イメージ 4 ▲二つの巨岩がもたれ合うそのすき間からシーギリヤロックへとアプローチしていきます。

 巨岩のすき間から内側に入ると、そこに広がるのは「Terraced Gardens(テラス・ガーデン)」。頭上を覆う樹木の幹の上にはまたも野生動物。今度はリスが登場してくれました。

 このあたりからいよいよシーギリヤロック本体の岩肌に貼り付けるように作り付けられた階段と歩道を伝って進んでいくことになります。だいぶ高さは増してきて、見下ろすと、「Terraced(段々になった)」の名のとおり宮殿の跡地のような棚田作りの平地と、その向こうに果てしなく広がるジャングルが見えてきます。

イメージ 5 ▲またも野生動物登場。リスのようです。

イメージ 6 ▲岩肌に設けられた階段と通路を進むとだんだんと周囲のジャングルが見渡せるようになってきます。

 そして、シーギリヤロック本体の西側の岩肌に沿って階段と通路を進んでいるわけですが、この西側の岩肌には、シーギリヤロックが世界文化遺産に登録された理由の一つにもなったであろう素晴らしい芸術であるフレスコ画が残されているのです。写真撮影が禁止されているので写真はありませんが、壁に漆喰を塗り、その漆喰が生乾きのうちに顔料で絵を描いたもので、失敗がきかないため高い技術を要するとされており、この岩肌には、「シーギリヤ・レディ」と呼ばれる女性500人のフレスコ画が描かれていたそうです。その後の風化のため、現存するのは18体のみですが、当時のままの鮮やかな色彩や女性たちの表情を今も見ることができます。

 また、「シーギリヤ・レディ」が現存するエリアの下側の通路には立派な壁が長く続いています。これは「ミラーウオール」と呼ばれ、内側がライムと卵でツルピカに磨き上げられ、当時は本当に顔が映るほどだったそうです。当時は、岩肌に描かれた「シーギリヤ・レディ」がズラリと映っていたと思われ、それはそれは色鮮やかでなまめかしい回廊になっていたのでしょう。

イメージ 7 ▲シーギリヤロックの北側に出ると、そこは「ライオン・テラス」。

 「ミラーウオール」のある回廊を抜けてシーギリヤロックの北側に出ると、そこはシーギリヤロックの中腹あたりの北側に張り出した踊り場のようになっていて、「ライオン・テラス(the Great Lion staircaseとかThe Lion Gateとか)」と呼ばれています。なぜならば、かつてシーギリヤロックの北側の岩肌には、スフィンクスのように、ライオンの頭までの姿が彫られていて、その開いた口の中へ階段が通っていたそうです。

 今は、両前足の部分だけが残っていて、その両足の間、まさに「ライオン・ゲート」から続きの階段が始まっています。ここから頂上へ、一気に上り詰めます!

イメージ 8 ▲今は両前足だけが残り、その間の「ライオン・ゲート」を通って階段を上ります。

イメージ 9 ▲かつてライオンの頭部があったと思われるぐらいの位置から見下ろすと、高い~~。