毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

タムダオ集落へ上りつめる。(夏の旅、北へ南へ時々台風;その72)

イメージ 1 ▲タムダオ集落の中心部まであと2Kmの標識。全部上り坂であります。

 2016年8月28日、まさに避暑地。

 ホテルからタムダオ集落の中心部まで3km弱と言うけれど、その3kmは全部上り坂。なかなかキツイね……

 ホテルを出て20分ほど歩いて行くと、路肩にコンクリート製の標識がありました。「TAM DAO 2Km」と書いてあり、あと2kmもあるのか……キツイね、これ。

 でも、歩きながらの風景は、これはスバラシイです。斜面にへばりつくように建つ民家が散在し、そんな斜面がずっと上の方にも下の方にも続き、その向こうには雲海が広がり、ここはまさに天空の村。そんなに暑くもないし、ずっと歩いていても快適で気持ちいいです。

イメージ 3 ▲少し上ってきたところ。左下の赤茶色い屋根は出発してきた我々のホテル。奥の方は一面の雲海。

イメージ 2 ▲2km標識のすぐ近くに見かけたこの建物は寺院か何かでしょうか。

イメージ 4 ▲本当に空の上にいるみたい。

 斜面のほとんどは棚田になっていて、びっしりと「su su」が植えられています。「su su」とは、日本では「ハヤトウリ」といい、葉の下の地面には洋梨のような形をしたウリがなるそうですが、日本で「ハヤトウリ」なんて見かけたことないなあ。大正時代に鹿児島へ導入されたのがきっかけで「薩摩隼人」から「ハヤトウリ」と呼ばれるようになったそうなので、鹿児島の方ではよく食べるのかも。こちらベトナムでは、茎や葉を炒めてよく食べるそうです。

イメージ 5 ▲2km標識から更に20分ほど歩き上って見下ろすと、黄色い家があんなに下に。

 のんびりと更に上り続けていくと、少し広くなったヘアピンカーブの道路端に人が集まっているのが見えてきました。ここは、道路が斜面の外側にぐぐっと張り出していて、展望台のようなビューポイントになっているので、観光で訪れた人々が必ず立ち止まって写真撮影などをしているのです。

 道はここから二手に分かれていて、車は上側の道が下り、下側の道が上りの一方通行になります。我々は、上り一方通行の下側の道に入って、更に歩き続けます。すると、ホテルを出発して約1時間、前方に「SUOI MO HOTEL」と看板を掲げた建物が見えてきました。あそこまで行けばゴールです。

イメージ 6 ▲正面に「SUOI MO HOTEL」が見えてきて、周囲に建物も増えてきた。

 ついにたどり着いた、タムダオ集落の中心部。公園があり、プランターを並べて「TAM DAO 2016」という文字がかたどられています。周囲は山で囲まれていて、ホテルや住宅などの建物が中央部の公園周辺をぐるちと取り囲んでいます。旅行客なのか地元の人たちなのか、公園のベンチに腰掛けたりして、みんなのんびりと過ごしています。

イメージ 7 ▲ついにたどり着いたタムダオ集落中心部にある公園のプランター文字。

イメージ 8 ▲周囲にはホテルや住宅の建物がずらりと建ち並び、のんびりした雰囲気。

 街の中をぐるりと一回りし、時間もちょうど午後6時となったので、ハンさんの目利きで「Nhà Hàng Thu Hằng」というレストランに入りました。ドアも壁もない草葺きの屋根の下にテーブルがたくさん並んでいて、気持ちの良い風が吹き抜け、なんともオープンな雰囲気。まだ他に客はなく、このスペースを独占して、タムダオでのディナーといきましょう。

イメージ 9 ▲ハンさんが「ここがよさそう」ということで入ることになったレストラン。

イメージ 10 ▲「Nhà Hàng Thu Hằng」というレストラン。店頭のオープンスペースが気持ちいいです。