毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

鐵路果てる終着駅・志布志(夏の旅、北へ南へ時々台風;その34)

イメージ 3 ▲宮崎から3時間07分走って終着駅にたどり着いた日南線の1923D。

 2016年8月19日、無人の終着駅。

 榎原から串間を経て福島今町駅までの約30分は日南線は完全な山線となり、串間駅を出て串間市街地を抜けて福島今町駅へ至ると、ようやく再び左側の車窓に海が見えるようになります。しかしこの海はもはや日向灘ではなく、志布志湾。海べりまで山の斜面が張り出す狭い回廊のような場所を福島高松、大隅夏井と行けば、短いトンネルを抜けると突然眼前に志布志港と志布志の町並みが広がり、終点志布志はもうまもなくです。

イメージ 1 ▲目の前に突然広がった志布志港と志布志の町並み。

 終点志布志には、定刻08:37に到着。始発の宮崎から3時間07分、日南線完乗の旅が終点に到達しました。

 終着駅と言っても、コンクリート製のホームが1面1線あるだけで、隣に使われていなさそうな側線の錆びた線路があるだけで、ホームの先は行き止まりとなって車止めがあり、駅舎へとつながっています。駅は無人駅で、第一印象は、新駅舎ができる前の枕崎駅に似ているという感じ。枕崎駅も、指宿枕崎線の終点駅なのに無人駅でホームが1面1線しかなくて寂れていた印象だったからです。

イメージ 2 ▲始発の宮崎から3時間07分で日南線終点の志布志駅に到着。

 ホームを駅舎の方へ進んで行けば、線路は側線とともに車止めが置かれて、そこで途切れています。南宮崎~志布志の営業キロは88.9kmで、車止めのすぐ脇に「89」という数字が描かれた距離標があり、そのペンキの白さだけが妙に不釣り合いに新しく見えます。

イメージ 4 ▲レールの先は車止めによって途切れ、もうその先へは列車では行けません。

イメージ 5 ▲車止めの脇には「89」の距離標。古びてしまったものに囲まれてペンキの白さが際立ちます。

 改札口、と言っても駅舎突き抜けの通路があるだけですが、その改札口で振り返ると、宮崎から乗って来た1923Dは、テールランプをこちら側に点けかえて、08:56発の宮崎行き普通列車1936Dになる準備を終えて、20分弱の休憩といったところ。駅舎の中にもホームにも人影はなく、ごろごろという気動車のアイドル音が低く真夏の青空に響いているだけです。

イメージ 6 ▲駅舎の改札口で振り返れば、気動車が一両、しばしの休憩中。