毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

フェリーで津軽海峡をゆく(夏の旅、北へ南へ時々台風;その20)

イメージ 1 ▲雲海の向こうに見えているのは蝦夷富士・羊蹄山か。

 2016年8月14日、雲上の蝦夷富士。

 RWY14から離陸した函館行きHAC243便は、札幌市街地上空を飛ぶわけにはいかないのでしょうから、すぐに左旋回して丘珠空港の方へ戻り、いったん日本海上空に出てからもう一度左旋回し、それから南へ向かって飛んで行きます。札幌市街地上空にはあまり雲はなかったものの、内陸部には雲海が広がり、地上の景色は望めなくなりました。

 でも、離陸後10分弱で、雲海の向こうに頂を覗かせている山が一つだけ見えてきました。あの整った稜線は、蝦夷富士・羊蹄山に違いありません。標高1,898m、ほぼ完全な円錐形で、富士山によく似ています。

イメージ 2 ▲ずっと右奥で輝いているのは日本海かしら……

 そんな雲上飛行もわずかの時間で、HAC243便はすぐに降下を開始し、函館空港へファイナルアプローチ。雲の下に出てしまえば、函館の市街地が手に取るように見えてきます。

 函館港上空へ西から入ってきました。「函館どっく」のある長い防波堤の向こうは函館山ですが、上の方三分の二は雲に隠れています。それから、函館駅とその周辺の市街地が、とてもよく見えます。函館駅のゆるやかにカーブしたホーム、その先には、メモリアルシップ「摩周丸」も。さっき午前中に実際に摩周湖を見た直後に(実際には濃い霧で湖面は見えなかったわけですが。)、今度は函館で「摩周丸」を見るとは、これもご縁というものか。

イメージ 3 ▲長い防波堤は「函館どっく」。その奧に、雲に隠れて「函館山」。

イメージ 4 ▲函館駅のカーブしたホームはメモリアルシップ「摩周丸」もよく見える。

イメージ 5 ▲右手に津軽海峡を見ながら、まもなく着陸。

 そして右手に津軽海峡を見ながら高度を更に下げ、18:01に函館空港RWY12に無事着陸。丘珠空港からの飛行時間は32分。特急「スーパー北斗」なら3時間半から4時間近くかかるところを30分ちょっとで飛び、しかも丘珠空港も函館空港も市街地から近いので、けっこう利用率は高いんじゃないでしょうか。

 釧路空港からずっとお世話になったレジJA-01HCのHACオリジナルデザイン塗装のSAAB340Bを降りて、またも徒歩でターミナルビルの中に入れば、この日の空の旅は終了です。

イメージ 6 ▲降り際に1枚パチリ。1×2列シートはなかなか年季が入ってます。

イメージ 7 ▲どんよりと曇って日が翳ってきた函館空港に到着したHAC243便。

 お盆の帰省客のUターンラッシュで、羽田行きの最終のJAL便とANA便がこれから出発する函館空港内は、大勢の人でかなりの混雑。そんな中で2階のフリースペースなどで時間をつぶし、頃合いを見計らってタクシーに乗りました。

 行き先は、七重浜のフェリーターミナル。これから、超久しぶりに、船で青森へ渡ろうと思うのです。

 青函トンネルが開通して鉄道連絡船はなくなってしまったので、さっき上空から見た「摩周丸」で青森へ、というわけにはいきませんが、車両航送需要に応えるため、現在も2社計16往復程度が青函間に24時間昼夜の別なく運航されています。

イメージ 8 ▲「津軽海峡フェリー」22便「ブルーマーメイド」。

 今回乗船するのは、函館港20:15発の「津軽海峡フェリー」22便。あてがわれた船舶は「ブルーマーメイド」。総トン数8,820トン、全長143.58m、全幅23m、定員583名、積載台数トラック71台または乗用車230台という大型船です。ちなみに青函連絡船時代の「摩周丸」は、総トン数8,327.71トン、全長132.00m、旅客定員1,200名、積載台数12台でしたから、「ブルーマーメイド」はほぼ青函連絡船と同等クラスですね。「摩周丸」の積載台数が少ないのは、貨物列車の貨車を運ぶのが主要な役目だったからですね。

 いつの間にか風が強まり、それに細かい霧雨が混じるようになりました。天候は下り坂のようです。20:15、定刻で出航となり、ターミナルビルが少しずつ遠ざかります。この風と霧雨では甲板でのんびり過ごすというわけにはいかなそうです。絨毯敷きの座敷に戻ってくつろぎますが、さすがお盆シーズン、船室はどこも乗客でいっぱいです。フェリーもかなりの人気なんですねー。青森までの所要時間は3時間40分で、23:55の到着予定です。

イメージ 9 ▲船尾の向こうには函館山などが見えるはずですが……

イメージ 10 ▲ゆっくりと遠ざかるターミナルビル。天候は崩れてきましたよ……