毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

魚津のパワースポット③「浜多屋」(夏の旅、北へ南へ時々台風;その9)

イメージ 2 ▲富山ならではのきときとのお刺身がズラリ!

 2016年8月12日、こここそパワースポット。

 お盆直前の真夏の真っ昼間に山道を6kmも歩き、クマよけの鈴は持って行ったが水もビールも持って行かなかったので、すっかりノドも乾いてハラも減りました。友人よ、なんとかしておくれ。

 来た道を戻ってなんとか駐車場にたどり着き、魚津市街地へ戻って友人が連れて行ってくれたのは、JR魚津駅のすぐ近くにある「浜多屋」というお店。友人よ、真夏の山道の行軍のあとにこんなステキなお店を用意してくれていたとは、さすがだの~~♪

イメージ 1 ▲富山湾はホント海の幸の宝庫ですな~。

 「浜多屋」さんは、魚津市末広町にある老舗料亭だそうで、その分店にあたるのはこちらの魚津駅前店のようです。本店が老舗料亭だけあって、しかも「若手農家が作る情熱野菜とのコラボ料理」とのことで、出てくるもの出てくるもの、全部おいしいのなんのって。

 冷たいビールを体が欲しているので、まずはそれでノドを潤し、それから海の幸の宝庫、富山湾で獲れる海産物を中心にしたお造り5種。どれもおいしい中でも、富山ならではのシロエビは絶品。シメサバ、キンメダイ、マグロ赤身など、おいしい~。まさに「きときと」!

イメージ 3 ▲ダイコンとチーズのサラダだったかな?夏にふさわしいシャキシャキさっぱりサラダ。

 ここで友人のオススメメニュー登場。それは、夏だけどアツアツの「おでん盛り合わせ」。つゆは限りなく透明で、このあたりは富山はやはり関西圏。タネはダイコン、コンニャク、がんも、つみれ、ひろうす、すすたけ(ねまがりたけのことらしい)などですが、富山ではおでんには必ずとろろ昆布を載せるということで、確かにとろろ昆布が載っています。そして、なぜかおでんダネとして、カツが入ってる!!なんで?どうして???でも、関西風だしのつゆをたっぷり吸わせて食べるカツはこれまた美味し。

イメージ 4 ▲友人が強力にオススメするおでん。入っているかどうかわからないほど透明なつゆは関西風。

イメージ 5 ▲富山のおでんにはとろろ昆布がマスト。そしてなぜかカツまで。

 そして、全然知らなかったのでびっくりしたのですが、なんと富山の夏の味覚として、富山湾では天然岩ガキがとれるのだそうです。4月中旬に解禁になる富山湾の天然岩ガキが楽しめるのは8月中旬まで、なんと、ぎりぎりのところで僕もこの富山の夏の味覚を味わうことができたのです。「海のミルク」と呼ばれるとおり、とろーりと濃厚な味わいは、たまりません!

イメージ 6 ▲まさか富山で夏に牡蠣が楽しめるとは思っていなかった。とろけます。

 天然岩ガキが終わろうとしているのと入れ違いに、ほぼ初物という感じで登場したのが、サンマ。これまた、秋の味覚をまさか食べられるとは思っていなかった。塩焼きにしてもらい、今シーズン最初のサンマを一匹丸ごといただけるなんて、シアワセ。

 さっき刺身で食べたシロエビ、せっかく富山に来たのだからもっと食べたいと思い、かき揚げにしてもらいました。これまた美味い。富山、美味いものだらけです。

イメージ 7 ▲8月12日に早くも秋の味覚の王者サンマを丸ごと一匹いただけました。

イメージ 9 ▲シロエビのかき揚げはまさに富山ならでは。

 ところで、こちらの店主は日本酒ソムリエの資格を持っていらっしゃるそうで、日本酒の品揃えがスゴイ。僕も富山の地酒はけっこう飲んだと思っていたのですが、この日は、今まで飲んだことのない富山の地酒がゾロゾロと出て来ました。「曙」(高澤酒造場(氷見))、「羽根屋」(富美菊酒造(富山))、「林」(林酒造場(朝日))、「苗加屋」(若鶴酒造(砺波))、「千代鶴」(千代鶴酒造(滑川)」などなど、ものすごいラインナップ。もちろん、僕の大好きな、しかしめったに手に入らない「勝駒」(清都酒造場(高岡))もあり、いつまでも飲み続けてしまいそう~~。

イメージ 8 ▲どのお酒もおいしくて、これがどの酒だったかもはや思い出せない。

 このお店の〆めとして欠かしてはいけないメニューが登場しました。それは「バイ飯」。古くからかご漁業が盛んな魚津で、バイ貝獲りの漁師が家で食べる賄いの「漁師飯」として作って食べていた、バイの旨味がたっぷりの出汁の効いた煮汁を使った炊き込みごはんだそうです。これがおいしくないわけがない!「魚津のバイ飯」は2014年の「魚の国のしあわせ Fish-1 グランプリ FINAL」で“準グランプリ”を受賞したそうですよ。いや、ホントおいしいです。

 そして、実は魚津はリンゴの産地としても有名。青森県人が他県のリンゴをおすすめするのは気が退けますが(笑)、魚津の加積地区で栽培されているリンゴは「加積リンゴ」といって、リンゴ産地としては日本最南端。だからなのか、このお店のデザートには「リンゴシャーベット」があり、これまたオイシイ。うまい日本酒をたっぷりと飲み、バイ飯で〆めたあとに、ひんやりさっぱりとミゴトに締めくくられました!「蛇石」も「洞杉群」もすばらしいパワースポットだったけれど、このお店が魚津でいちばんのパワースポットだったような気がするよ!

イメージ 10 ▲魚津に来たらはずせない「バイ飯」。ごはんを噛めば噛むほどじゅわっと美味い。

イメージ 11 ▲リンゴ産地最南端の魚津で食べるリンゴシャーベット。