毎日ヶ原新聞

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魚津パワースポットその②「洞杉群」(夏の旅、北へ南へ時々台風;その8)

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              ▲「洞杉群」に踏み込みました。

 2016年8月12日、まさに自然の妙。

 「蛇石」から舗装道路に戻り、さらに山奥へと分け入って1.4kmほど進むと、「洞杉群」に到達します。ずっと上り勾配の道を歩き続け、その辺りではだいぶ高い所まで来たと感じる頃、「新土倉橋」という橋が現れて、川を対岸に渡ります。いつの間に変わったか、橋の下の川は片貝川ではなく、片貝川水系南又谷川になっています。橋を渡ってさらに少し行くと、「洞杉観察道 案内図」という案内板が立っていて、杉の森の中へ入っていく遊歩道の入口になっています。

イメージ 6 ▲観察道の入口に立つ案内板。

 「洞杉」とは、天然生のスギの古木、巨木のことで、幹の内部が空洞になっているものが多いのでそう呼ばれるそうです。片貝川南又谷の標高500~700m前後の稜線から斜面にかけて見られ、特に転石・露岩の多い急斜面地に多く生育しているそうです。樹齢は古いもので一千年、若いものでも数百年は経っているとのこと。

 そして、最大の特徴は、洞杉の多くは根元が巨大な岩石を抱え込むようにしているということ。このあたりの斜面には巨大な転石がそこここにあるためか、群落のスギの多くはこの転石や露岩に乗り上がって根で抱きかかえ、覆い被さるように屹立している様は、他所では見られない独特の景観であるらしいです。

イメージ 2 ▲巨岩の上から生えているように見えますよね。

イメージ 3 ▲まさに、巨石を抱え込んでいます。

 「洞杉観察道」の入口は二ヶ所あり、新土倉橋寄りが「洞杉群口」、奧の方が「最大洞杉口」で、観察道に入って、コの字形に斜面を上って下りてもう一つの口に出るようになっています。全長約300mで、「洞杉群口」から入ると約140mで洞杉群があり、「最大洞杉口」から入ると83mで最大洞杉に至ると「案内図」には書かれています。

 最大洞杉は、主幹の幹周が1,560cmあり、樹種別の巨木「杉単体」部門で、新潟県の将軍杉(1,931cm)、鹿児島県の縄文杉(1,610cm)に次いで全国第3位の巨木だそうです。4本の幹が合わさっている株立ち幹周りでは、最大30.18mになるものもあるとか。

イメージ 4 ▲なんと大きな幹でしょう!洞が開いているのがよくわかります。

イメージ 5 ▲巨岩の上に跨いで立っているようにしか見えない洞杉。

 新土倉橋からつづく市道は、観察道入口のあるあたりが空き地のように開けていて、ここに一対の巨大な洞杉ペアが並んでそびえています。名付けて「市道横洞杉」。すみません、魚津市さん、もうちょっと気の効いた名称をつけていただけませんでしょうか(笑)。

 しかしそれにしてもこの一対の洞杉も、大きい!太い幹が根元からいくつにも分かれて、一本の木のはずなのに、大きな杉のかたまりを形作っているようです。いやー、思いもかけず、こんな素晴らしい大自然を満喫することができてよかったです!また駐車場まで約3kmを歩かないかんかと思うと気は重いが。こんな真夏に往復計6kmも歩いたら、体重が減ってしまうではないか!

イメージ 7 ▲左下隅の人の姿と比べると、「市道横洞杉」の大きさがわかろうというもの。