毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

備瀬のフクギ並木(旅するニッポン、春たけなわ;その40)

イメージ 3 ▲「美ら海水族館」からほど近い備瀬地区にあるフクギ並木は人気の観光スポット。

 2016年4月10日、牛車がゆく。

 初のタコライスも食べたことだし、「美ら海水族館」をあとにして、次のスポットへ。

 「美ら海水族館」から北へまっすぐ上がると、すぐに本部町の備瀬地区に至ります。このあたりは碁盤の目のように区画整備された集落になっていて約250戸の民家が集まっています。碁盤の目状の道はたいへん狭く、その両側にはびっしりと狭い小道に覆い被さるようにフクギの木が植えられていて、「備瀬のフクギ並木」という観光スポットになっているのです。

イメージ 1 ▲びっしりとした植栽で、民家を守る防風防潮林としての役割を果たしています。

 フクギは、高さが10mから20mになる常緑高木。同じフクギ属には果樹のマンゴスチンがあり、フクギにも実は生りますが食べません。葉は8~14cmほどの長楕円形または卵状楕円形で、つややかな緑をしています。フィリピンに多く分布し、台湾、沖縄県、奄美群島などでも植栽されていて、並べて植栽すると緑の壁のようになって防風林や防潮林となるそうです。備瀬のフクギ並木も、狭い小道の両側にびっしり植えられることで、その道に囲まれた民家を風などから守る防風潮林になっているのですね。備瀬のフクギ並木の歴史は深く、古いものでは推定樹齢が二百数十年に及ぶフクギもあるとか。

イメージ 4 ▲かわいらしい形のつややかなフクギの葉。

 フクギは沖縄県内のどこででも見られるにも拘わらず、並木になってびっしり植栽されている場所は備瀬地区以外にないそうで、古来から「福を呼ぶ木」とされていることもあって、今や人気の観光スポットに。鬱蒼と茂るフクギ並木の小道を木漏れ日を浴びながらのんびり歩くと時間がゆっくりと流れ、フクギ並木の向こうに真っ青な海が見えたり、民家の家屋や外塀にさりげなくあしらわれた沖縄ならではの意匠を目にしたりしながら散策をしていると、福がこぼれ落ちてきてくれそうな、パワースポットなのです。

 特に、並木の入口近くには、夫婦が寄り添うように2本のフクギの巨木がくっついている「夫婦福木」がありまして、ここは幸せを呼び込む強力なパワースポットとして人気だそうです。

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              ▲2本のフクギの巨木がくっついた「夫婦福木」。

 フクギ並木の中をゆっくりと流れる時間をゆっくり楽しめる手段として、水牛車に乗って並木を散策するサービスがあり、僕たちが並木の中を歩いていたときにも、水牛車がゆっくりとやってきて、通り過ぎていきました。8人乗りくらいの荷台を牽いていることなど少しも気にしないふうに、真っ黒な水牛はのんびりと泰然と、歩いてゆきました。

 最後は、並木のずっと奥にある「一福茶屋」にて、クーポンを使って「紅芋黒みつ焼きだんご」をゲット。タダでもらいに来ただけの客(笑)にも店員さんはとても丁寧に親切に対応してくださって、なんだか恐縮。おだんご、とてもおいしかったです。今度ゆっくり立ち寄りますね(^^)。

イメージ 2 ▲フクギ並木の中は水牛車での散策も可能。水牛がのんびりと歩いていきます。