毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

日本一小さい新幹線の町(旅するニッポン、春たけなわ;その32)

イメージ 5 ▲今別町のシンボル・青函トンネルをゲート風にデザインした奥津軽いまべつ駅の駅舎。

 2016年4月6日、開業12日目。

 春を迎えたばかりの青森、あまりにも天気がよいので、ちょっと出かけてみよう。

 そう思ってやってきたのは、3月26日に開業してまだ12日目の「奥津軽いまべつ駅」。かつてJR海峡線の津軽今別駅だったところに新幹線の駅ができてしまいました。地元今別町は「日本一小さい新幹線の町」として開業前から注目を集めていましたが、いったいどんな駅なのでしょう?新幹線はちゃんと停まっているのでしょうか?(笑)

イメージ 6 ▲駅舎前には、今別町の伝統芸能「荒馬まつり」を彫り込んだ真新しい石碑が。

 駅舎正面は、高さ25mのガラス張りのタワー棟。最上部の窓がアーチ状になっているのは、青函トンネルをゲート風にデザインしたもの。

 駅舎前にある真新しい石碑は、開業一ヶ月前の2月26日に、石材会社「番地銘石」の代表取締役社長から贈られたもので、今別町の伝統芸能「荒馬まつり」のようすが刻まれています。

 エレベーターでタワー棟の上に上がると、改札口やきっぷうりばへ続く両面ガラス張りの跨線橋通路になっていて、なかなかの眺め。北海道新幹線の保守基地があり、津軽線の線路もあるので、複数の線路を跨ぐことになり、この通路はけっこう長いです。

イメージ 1 ▲奥に改札口、その右がみどりの窓口、左に待合室。

イメージ 2 ▲改札内の壁は、「荒馬まつり」と青森ヒバを取り入れたオブジェ風。

 跨線橋通路を渡りきって右に折れると改札口があり、その右にきっぷうりばとみどりの窓口、こぢんまりとしています。左は待合室。伝統芸能「荒馬まつり」は駅舎内にもモチーフとして多く取り入れられていて、改札内コンコースには、全面ガラスとその内側に青森ヒバをあしらえ、ガラスには「荒馬まつり」のようすが磨りガラスのシルエットで入れられたオブジェ風の壁があります。

 上下各13本のダイヤのうち、奥津軽いまべつ駅に停車するのは上下7本ずつで、おおむね2時間に1本という感じ。いったいどのぐらいの乗降客がいるのか、開業後しばらく経ってみないと見極められませんが、今別町内から青森市内の高校へ通う女子高生が、新幹線通学ができるようになったおかげで初めて部活動に参加することができたという心温まる新聞記事も見られたし、何かしらの「効果」はあるでしょう。

 すると、列車が一瞬にして駆け抜けていく音が。新青森を12:37に発車した「はやぶさ11号」のようです。東京~新函館を4時間02分で結ぶ最速タイプですね。

イメージ 3 ▲奥津軽いまべつ駅のガラス張りの跨線橋通路からの眺め。新函館方向です。

 ガラス張りの跨線橋通路から新函館方向を眺めてみると、新幹線の線路がある土手の下に、もう一本線路があるのが見えます。あれはJR津軽線の線路で、ホームが見えるのは津軽二股駅。新幹線開業前は海峡線津軽今別駅があった土手の上に行くための屋根付き階段通路もそのままに残っていますが、通路の入り口はふさがれてしまっているようです。ホームの横にあるのは「道の駅アスクル」。よし、次はあっちに行ってみましょう!

イメージ 4 ▲いちばん左橋の線路は津軽線、ホームは津軽二股駅。その隣は「道の駅アスクル」。