毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

電鉄出雲市→出雲大社前直通列車(旅するニッポン、春たけなわ;その24)

イメージ 2 ▲電鉄出雲市14:15発出雲大社前行きがひっそり出発を待っているところ。

 2016年4月4日、デハニ50形電車デハニ52。

 安来から出雲市に着いて、再び一畑電車の電鉄出雲市駅へやってきました。ホームに入っているのは、前日に松江しんじ湖温泉から川跡まで乗ったのと同じ車両、デハ1001+クハ1101の2両編成です。これは14:15の電車501レですが、平日ダイヤで電鉄出雲市から出雲大社前まで直通するのはこの一本だけ。珍しい列車に乗り合わせられました。

イメージ 1 ▲平日ダイヤで電鉄出雲市から出雲大社前まで直通するのはこの列車だけ。

イメージ 3 ▲平日の昼下がりということもあってか車内はガラガラ。

 松江しんじ湖温泉駅方面との分岐駅・川跡では、三方向へ向かう列車が一堂に会します。我々の出雲大社前行き501レが14:23に真ん中の2番線に入ると、3番線には14:24に松江しんじ湖温泉からの電鉄出雲市行き318レが到着します。1番線には、これまた平日は一日一本しかない電鉄出雲市発松江しんじ湖温泉駅行き直通列車101レが14:22に到着して待っています。101レはイエローボディの3000系電車。元南海電鉄の車両で4編成があり、この時停まっていたのは2編成目のデハ3006+デハ3016でした。

イメージ 5 ▲三方向へ向かう列車が一堂に会する川跡駅。左は電鉄出雲市行き、右は出雲大社前行き。

イメージ 4 ▲1番線からは松江しんじ湖温泉行きの3000系電車が発車していきます。

 我々の出雲大社前行きは、川跡で列車番号を501レから20レに変えて14:26に発車。川跡から高浜、遙堪、浜山公園北口と停まって、終点出雲大社前には14:37の到着です。「遙堪」とはまた重厚な名前の駅ですね。「ようかん」と音読みで読むそうですが、昔、斐伊川が注ぐ菱根池という大池があって「遥かに水を湛える(たたえる)」というところから来た地名とも言われているそうです。

イメージ 6 ▲終点出雲大社前駅に到着。これでこの二日間で一畑電車全線乗りました。

イメージ 8 ▲列車は折り返し15:06発川跡行き19レに変わります。

 出雲大社前駅には、ホームに着く線路の外側に、デハニ50形電車デハニ52が展示されています。この車両は、北松江線小境灘駅(現・一畑口駅)~北松江駅(現・松江しんじ湖温泉駅)間が開業した年である1928年に製造された車両で、既に営業運転は終了しましたが、2009年8月には映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」のロケで本線を走行したこともある現役車両です。走る姿、見てみたいですね。

イメージ 7 ▲あと2年で90歳を迎えるデハニ52は出雲大社前駅構内で展示中。

 改札を出て、出雲大社前駅の駅舎の中へ入ります。いつ来ても特徴のあるドーム型の吹き抜け天井に、ステンドグラスをはめた窓からやわらかい日差しが差し込みます。2006年2月以来10年ぶりの再訪(前回来たときの記事はコチラ。)。昭和5年(1930年)に建てられた駅舎はきれいにお手入れがされ、駅前の道路は石敷になって車通りが減り、観光スポットの度合いを強めたように感じます。こんな瀟洒な駅から始まる出雲の旅、何度でも訪れたくなりますね。

イメージ 9 ▲ドーム型の吹き抜け天井にしつらえたステンドグラスの窓から光差し込む出雲大社前駅。

イメージ 10 ▲10年前に来たときよりお手入れされてずいぶんきれいになりましたね。