宍道湖に沿って快走一畑電車(旅するニッポン、春たけなわ;その12)
▲松江しんじ湖温泉駅からまもなく発車の出雲大社前行き108レ列車。
2016年4月3日、一畑まいり。
一畑電車1000型車両の車側には、一畑グループの社章と英文ロゴが描かれています。団結と融和を意味する太陽の円と、その太陽の光を受けてすくすくと成長発展していくことを意味する双葉が描かれたデザインです。
さて、13:36、出雲大社前行き108レ列車が松江しんじ湖温泉駅を発車します。発車してすぐに線路は宍道湖の湖畔を走るようになり、車窓からは宍道湖の風景が一気に広がります。
▲車側には一畑グループの社章と英語ロゴが。
▲松江しんじ湖温泉駅を発車してすぐ、車窓からは宍道湖が一望できます。
松江イングリッシュガーデン前、朝日ヶ丘、長江とひと駅ずつ停車行きます。「長江」駅、中国人なら「ちょうこう」と読んでしまいそうですね。
長江の次は秋鹿町。「あいかまち」と読むとはちょっと思いつかない。
松江フォーゲルパーク駅前にあるのは、花と鳥を中心としたテーマパーク。その次は高ノ宮、そして津ノ森、伊野灘と続きます。津ノ森駅では、出雲大社前からの松江しんじ湖温泉行き107レ列車と交換します。津ノ森駅と伊野灘駅の間に松江市と出雲市の市境があり、伊野灘駅は出雲市の中でいちばん東にある一畑電車の駅ということになります。
▲ちょっと簡単には読めない「秋鹿町」駅。
▲津ノ森駅で107レと交換。
伊野灘駅のホーム脇にある桜の木がすばらしい満開の花をつけていて、目を惹きました。この駅は、映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』で、主人公の故郷の駅という設定で、駅や駅周辺でロケが行われたことから、駅名標も同映画のスタッフによって作られたものが今も使われていて、田野駅とはタイプが違いますね。
▲伊野灘駅の駅名標と満開のこんもりとした桜の木。
そして、松江しんじ湖温泉駅から27分で一畑口駅に到着。戦時中まではもうひと駅先の「一畑駅」まで運行されていて、一畑薬師(一畑寺)への参拝鉄道としての役割を果たしていました。今は廃線となったので、ホームから先へ進むことはできません。一方、一畑駅へ向かう線の開通から13年後の1928年(昭和3年)に、今の松江しんじ湖温泉駅の方からの線が建設されて一畑口駅に接続したので、一畑口駅はスイッチバック構造となり、松江、出雲のどちらからやってきても、一畑口駅のホームで進行方向を変え、やってきた方向へ出ていくようになっているのです。
▲一畑口駅ホームには「一畑まいり」を書かれた台の上に「目玉おやじ」のブロンズ像。
▲「目のお薬師様」一畑薬師へはここからバスで10分ちょっと。一度は行ってみたい。
▲運転士さんがのんびり反対側の運転台へ移動する間は、ホームに降りていられます。
一畑口駅に着いてドアが開くと、運転士さんはのんびりホームを歩いて、後ろの車両の運転台へ移動します。松江しんじ湖温泉駅からここまで後ろ側だった車両が、今度は先頭車両になって、出雲市方面へ向かうのです。運転士さんの移動中は、こちらも安心してホームに降りて写真を撮ったりすることができますね。
運転士さんの準備が整うと、一畑口駅発車。松江方面からは大きく右カーブを描いて東から北へ入ってきたのを、今度もまた大きく右カーブを描いて、北から西へと向かいます。園、湖遊館新駅、布崎、雲州平田、旅伏(たぶし)と停まっていきます。
▲旅伏駅の駅舎には出雲市立平田中学校美術部が制作した絵が飾られています。