毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

撫順露天掘り炭鉱(旅するニッポン、春たけなわ;その1)

イメージ 3 ▲朝の瀋陽桃仙国際空港には深圳航空の飛行機がズラリ。

 2016年4月2日、春休み。

 昨年11月25日に瀋陽へ転勤してきて以来、あまり休みを取っていなかったので、4月はどーんと、と計画していたのですが、4月下旬から長い出張へ出ることになったために、どーんととはいかず、ちょこっとだけ休暇をとって日本へ帰ることにしました。

 やってきたのは、なんかぼんやりした天気の朝の瀋陽桃仙空港。瀋陽空港は、中国南方航空(CZ)瀋陽本社の拠点なので、CZ機がズラリかと思いきや、国内線エプロンにズラリと並んでいるのは、なぜか深圳航空のA320ばかり。深圳航空も瀋陽空港を拠点にして事業展開しているのかも。

イメージ 2 ▲前夜到着してナイトステイしているANA機。10:40発の成田行きNH926便になります。

 国際線のいちばん橋っこの40番ゲートには、前夜到着してナイトステイしたANA機がいます。10:40発の成田行きNH926便。CZに乗るよりこっちに乗って帰国したいところですが、これだと成田に着くのが午後3時近くで、時間的に効率的とは言えないので、今回はパスです。

 僕が乗るのは、08:35発の関西行きCZ611便。成田行きの08:30発CZ627便もあるのですが、そちらは満席でとれませんでした。CZ611便なら、関空に12:10に着くので、午後が丸々使えます。

イメージ 1 ▲瀋陽発関西行きCZ611便は32番ゲートから。

 中国南方航空はスカイチームのメンバーですが、瀋陽発の成田便と関西便はワンワールド・メンバーのJALとコードシェアを行っていて、CZ611便はJL5024便というフライトナンバーも持っています。32番ゲートで出発を待っているCZ611便、機材はレジB-6205をつけたA319と小さめ。8時前に搭乗が始まり、エコノミークラス最前列の31番A席に着席すると、C席に座っていたピンクのドレス風の服を着たおばちゃんがどこかの席に移り、B席もC席も空いて、ゆったりできるようになりました。全体としては7、8割ぐらいの搭乗率でしょうか。4月4日の「清明節」の休日に続く連休で、もっとぎっしり混むかと思っていたのですが。

イメージ 4 ▲離陸後5分ほどで撫順市の上空にさしかかります。

 所定の出発時刻は08:35ですが、08:16にドアクローズ。早やっ!先発するはずの成田行きCZ627便がまだ動かない中、こちらはさっさとプッシュバックを始め、08:35にRWY24から離陸しました。

 離陸後するに大きく左へ旋回して進行方向を変え、北東方向へ飛ぶと、5分もしないうちに、眼下には赤土の大地をえぐったような大穴が見えてきます。これは、瀋陽市の西に隣接する撫順市の露天掘り炭鉱。日露戦争の後、満鉄が炭鉱経営に乗り出し、巨大な露天掘り炭鉱での採掘が進められました。露天掘り炭鉱はいくつかありますが、西露天鉱は東西6.6km、南北2km、深さ300mで世界最大規模。底へ向かって渦巻きのようにぐるぐると線路が敷かれ、掘り出された石炭を運ぶための貨車が行き交います。ただ、露天掘りの石炭はほぼ掘り尽くされたとされ、産業転換を迫られているというのが現状です。

イメージ 5 ▲撫順市の西南にある最大の「西露天鉱」の全景。

イメージ 6 ▲すり鉢の縁を渦巻きのように刻まれているように見えるのが運搬用の鉄道線路。