毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

瀋陽で食べているもの(蘭州牛肉麺)

イメージ 1 ▲蘭州牛肉麺「東方宮」の「酸菜牛肉麺(毛細、ラー油入り)」、ミゴトなできばえ。

 2月8日は旧暦の元日でした。日本の正月三が日に当たる正月初五までの5日間は、ほとんどの店が休業します。スーパーやコンビニは店を開けていることが多いですが、一人でふらっと立ち寄って食事ができるような食堂はほぼ全滅。しかし、2月11日(正月初四)のお昼に、もしやあそこならもう開いているかもと思って行ってみたのが、文化路にある「東方宮」。さすが大手チェーン店だけあって、ちゃんとやってました!職場の同僚から、蘭州牛肉麺がおいしい店だと聞き、一度行ってみたかったんです!

イメージ 6 ▲黄色い看板が目印の「東方宮」。

 「牛肉麺」と言えば「蘭州」、「蘭州」と言えば「牛肉麺」。河南省懐慶府(今の博愛県)の「清化小車牛肉老湯麺」が甘粛省蘭州で変化を遂げ成熟したものと言われ、蘭州で牛肉麺が食されるようになったのは清朝嘉慶帝の頃、1799年のこと。以来、牛肉麺は蘭州の名物として不動の地位を得たのでした。

 店の入口にも店内にも写真(絵?)で案内があるのですが、「蘭州牛肉麺」の特徴は、注文してから小麦粉のかたまりを延ばして麺にするので、麺を好みの太さにしてもらえること。今回撮った店外の案内板の写真には6種類しかありませんが、実際には9種類があるんです。

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          ▲超細麺からスーパー太麺まで、麺の種類は全部で9種類。

 レジで注文し、レシートを調理場のカウンターに持って行き、レシートを麺係の人に渡すときに麺の種類を伝えるという方式。まずは、干し菜っ葉が入った「酸菜牛肉麺」15元(=約260円)。これの麺は「毛細」にしてみよう。「毛細血管」の「毛細」ですからして、いちばん細い麺のものです。

 よく澄んでいるのに濃厚な味わいのスープに茹で上がった麺を入れ、ざく切りにした牛肉と薄切りのダイコンを載せ、刻みネギと刻み香菜を散らし、最後に「ラー油はかけるか?」と聞かれるので、かけてもらって、できあがり!麺は、今さっき手で延ばしたとは思えないほど均一に細く、まるでそうめんみたい。いやこれはオイシイ!しかし、麺が細すぎてちょっと食感に乏しい。もう少し太い方がよかったか。

イメージ 2 ▲これが最も麺が細いタイプ「毛細」。よく一瞬でこれだけの麺を打てるものだ。

 もう一杯は、普通の牛肉麺(これも15元)で、今度は麺の幅が最も広い「大寛」でいってみよう。オリジナルの味を楽しむために、ラー油もなしで。

 「大寛」は火が通るのに時間がかかるので茹で時間が長く、席に座って待ち、茹で上がると呼んでもらえます。

 やややっ!この麺では、マジで幅広だ。こりゃもう麺じゃないよ、きしめんなんてもんじゃない。ほうとうよりも何倍も幅が広い。こんなに幅が広いと、先ず第一に食べにくい(笑)。しかし、食感はもっちりとして食べ応え十分。岩手や青森南部地方の郷土料理「つつけ(「かつけ」とも)」を食べてるみたいです。これまたオイシイ。病み付きになりそうだ。

 ということで、麺の種類は、太さが細い方から「毛細」<「細」<「三細」<「二細」<「粗(一細)」<「韮葉(ニラの葉ぐらいの幅)」<「寛」<「大寛」となってます。これにもう一種類、断面が三角形になっている角のある麺の種類で「蕎麦楞」というのがあります。これで全部で9種類。うう、また食べたい~~。

イメージ 3 ▲ラー油なしの最もオーソドックスな牛肉麺。麺の太さは「大寛」。

イメージ 7 ▲澄んだスープの中に浮かぶ、思いっきり幅広の麺。

イメージ 4 ▲どうよこの幅の広さは。ちと食べにくいが、もっちりした食感は、美味。