毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

駅弁なら「小唄寿司」。(桜早き春の海峡を越えて;その5)

イメージ 5 ▲小さい頃から食べ続けてます八戸名物「小唄寿司」。

 2015年5月2日、ベビーホタテ。

 特急「スーパー白鳥11号」は、青函トンネルへと快調に走行していますので、このへんでそろそろお昼にしましょうか。新青森駅で駅弁を調達してきたので、それを開けよう。最近、飛行機での移動が多くて、こうしてゆっくり駅弁を食べる機会がめっきり減っちゃった感じ。

 ではまず、「陸奥湾産ホタテ弁当」。青森と言えばリンゴとホタテ、そのホタテを使った駅弁と言えば、昭和43年以来人気が衰えないロングセラー駅弁「帆立釜めし」ですが、今回はそれとは違うお弁当でっす。

イメージ 1 ▲初めて買ってみました「陸奥湾産ホタテ弁当」。

 まずこの駅弁の感心するところは、包装箱には弁当の中身の写真が印刷され、その片隅に「※写真はイメージです。」と書いてあるのですが、中身を出してみると、ほぼ包装箱の写真のとおりで、フタを開けてがっかりなんてことはなく、写真のイメージに偽りなし!良心的な印象です。

 おそらくホタテだしで炊いたごはんに玉子そぼろを敷き、その上に、醤油で煮詰めたベビーホタテが5つ。「帆立釜めし」はシンプルなホタテ煮ですが、こちらは更にツメを塗って濃厚な照りが食欲をそそります。どちらも使っているのはベビーホタテですが、実は青森県民は、ホタテはベビーホタテがいちばん美味いと思っておりますのだ。そして、こんな立派なちくわが入った駅弁なんて今まで見たことないですが、こんにゃく、ダイコン、がんもと一緒に味噌がかかっているということは、これは青森市のB級グルメ「しょうがみそおでん」だね。これに青森特産のナガイモのシソ酢和えかな?が添えてあります。

イメージ 2 ▲このホタテの照りの美しいこと。しょうがみそおでんもグー。

 しかし、僕は駅弁ならなんと言っても八戸駅の「八戸小唄寿司」。創業明治25年の「吉田屋」が作り続けてもうかれこれ55年ほど。「唄に夜明けた鷗の港 船は出て行く南へ北へ 鮫の岬は 汐煙り」の歌詞で知られる、八戸鮫港の築港完成を祝って作られた新民謡「八戸小唄」。これをモチーフにした「八戸小唄寿司」は、三味線の胴の形をした弁当箱に、分厚く脂の乗ったサバが四切れと鮭が二切れ載った寿司飯が詰まっていて、それを三味線の撥の形をしたへらで切り分けて食べるという趣向。「寿司飯の酢がキツすぎる・強すぎる」というご意見も耳にしますが、僕はこの濃い味の酢飯が大好きだし、こうでなければ「八戸小唄寿司」じゃない。小さい子どもの頃から食べてますが、これからも食べ続けたい絶品駅弁です!

イメージ 3 ▲1961年に発売になって以来のロングセラー、「八戸小唄寿司」。

イメージ 4 ▲三味線の撥の形のへらで切り分けていただきます。

 と、そうこうしているうちに、特急「スーパー白鳥11号」は青函トンネルを抜け、北海道に上陸しました。新幹線駅舎の整備が着々と進む木古内には14:20の到着。そして、徐々に函館が近づいてくると、函館湾越しに函館山が見えてきます。良い天気です。でも、こうして特急「スーパー白鳥」の車窓から函館山を眺められるのも、北海道新幹線開業までなんですよねー。

イメージ 6 ▲茂辺地駅の手前あたりでちょうど車窓の真正面に函館山が眺められます。

 特急「スーパー白鳥11号」は、新幹線の高架が左へと離れていくのとは逆に右へ右へとカーブを描きながら、五稜郭駅の手前で函館本線と合流し、14:58、終点函館に到着しました。ほぼ満席だった車内からどっと下車客が吐き出されます。外国人の団体さんたちもずいぶん乗っていたようです。

 向かいのホームには、15:13発の5011D特急「スーパー北斗11号」が乗り継ぎ客を待っています。車内はもういっぱいのようです。さすがGW。でも、いずれこの乗り継ぎ風景は、新函館北斗駅へと移ってしまうのですね……

イメージ 7 ▲函館に到着した「スーパー白鳥11号」。トレインマークがもう「回送」になってたのが残念。

イメージ 8 ▲「スーパー白鳥11号」を受けて札幌を目指す「スーパー北斗11号」。