毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

瀋陽で食べているもの(回頭)

イメージ 2 ▲瀋陽にいるなら食べずにはいられないものの一つ、「回頭」。

 瀋陽で食べているものの第二回は、「回頭」。

 「百度(バイドゥー)百科」で「回頭」を検索すると、「沈阳当地著名特色小吃之一(瀋陽の地元の有名な特色ある軽食の一つ)」と出てくるぐらい、瀋陽では食べずにはいられない一品。

 一言で言えば、「回頭」とは「棒餃子」のことですな。「回頭」とは、「振り向く」、「好転する」というような意味で、あまりにもおいしいので、店を出た後、また戻って食べたくなるからだとする説や、清の光緒帝の時代に、ある「焼餅(練った小麦粉を薄くのばして焼いたもの)」売りが、店が全然はやらず、あまりにも客が来なくて、中秋節のお昼でさえ誰も来ないので、あきらめて、自分のために、薄くのばした小麦粉に牛の挽き肉を巻いて焼いたものを作っていたところ、突然役人がやってきて、「それは何だ。今まで見たことがないものだな。どれ、食べさせてみろ」と言い、食べたところあまりにもおいしかったので、「もっと焼いて、宿まで届けさせてくれ」と追加注文を出したら、その後、このおいしさが評判になって広まり、商売がV字回復して繁盛したので「回頭」と呼ぶようになったという説もあるそうな。

イメージ 4 ▲約110年の歴史を誇る瀋陽大西路の「協順園」。入口が小さすぎてうっかりすると通り過ぎる。

 この「回頭」の瀋陽の老舗は、十一緯路を西から来て、南北に走る青年大街を渡ると通りの名前が大西路に変わり、大西路に入ってすぐ右、「大西辺門」バス停の真ん前にある「協順園回頭館」。20世紀初頭に創業し、店主は現在三代目で、約110年の歴史を誇ります。しかし、お店は特に入口が小さいので、うっかりすると見つけられずに通り過ぎてしまいそうになるくらいです。

 しかし、店内はいつも人でいっぱい。看板料理は「回頭」と、もう一つ欠かせないのは「羊湯」。羊の臓物をこれでもかとたっぷり入れたスープで、非常にクセの強い味。好みは分かれましょうが、好きな人はもう一発でハマりますね。お碗に取って、胡椒をたっぷりかけていただきます。

イメージ 3 ▲「回頭」とともに欠かせないのが「羊湯」。ハマるとウマイ。

 今回、久しぶりに行ったら、愛想のいい三代目の店主がタバコをすすめながら話しかけてきてくれました。「おい、おまえ、入ってきたときに気がついてたぞ。なんだ、しばらくじゃないか。4年ぐらい来てなかったんじゃないか?いったいどこ行ってたんだ」。なんと、店主は、僕のことを覚えていてくれたのです。ウレシイじゃないですか!店主!また瀋陽に戻ってきたから、ちょくちょく来るようにするね!

 「回頭」には、ジューシーな牛肉がぎっしり詰まったのと、ニラ玉を巻いた「素(ベジ)」の二種類があります。一本だけでもなかなかボリューミーで、一斤(500g)の十分の一が一両(50g)で、三両注文すると六本出てきます。特に牛肉のは、本当にあまりにもおいしいです(^^)。

 今回は「回頭」と「羊湯」に加え、東北料理の定番中の定番「鍋肉包」も頼んで、大大大満足のランチとなりました。

イメージ 1 ▲豚肉の薄切りに衣をつけて揚げ、甘酸っぱいタレを絡めたのが「鍋包肉」。