毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ミア妃廟でおみくじ(ハノイふたたび;その16)

イメージ 6 ▲サトウキビの村に大きな貢献をした「サトウキビ姫」を祀った廟。

 2015年4月26日、吉か凶か。

 おいしいランチをたっぷりと食べたあとは、モンフ集落からドンサン集落へと散策を続けます。

 その途中、「Đền Phủ - Thờ Bà Chúa Mía」と書かれた横断幕が張られた寺院の参道の入口らしきところの前を通りがかったので、ちょっと立ち寄ってみることに。

 横断幕をそのまま訳せば、「サトウキビおばさんを祀ってあるお寺」というほどの意味だそうですが、一般的には「ミア妃廟」といった感じでしょうか。「ミア妃」とは、後黎朝後期の実質的な支配者Trịnh Tráng(チン・チャン;鄭梉)の妃の一人、Nguyễn Thị Rong(グエン・ティ・ゾン)のことだそうですが、このあたりは昔からサトウキビの栽培が盛んだったことから、サトウキビを意味する「Mía(ミア)」が通称としてつけられていることが多いようです。

イメージ 7 ▲横断幕がかかった参道入口の両脇の小道には装飾を凝らした小門があります。

 子どもたちが遊んでいる参道を進むと、ミア妃が祀られた本堂というか本殿の敷地を囲む外塀に開いた門に至ります。門柱には「対聯」のように、対になった文句が漢字で書かれています。門柱の上部には、これは石を彫ったのかなあ、非常に精緻な彫刻な施されていて、思わず目を奪われてしまいます。この門を入ってすぐ正面に、外観はモンフ亭などとそっくりだけれども、それよりもずっと小さい、細かい瓦屋根の建物があり、これが本殿ですね。

イメージ 5 ▲本殿敷地への門には漢字で書かれた「対聯」が。

イメージ 4 ▲門柱の上部は精緻な彫刻が施されていてミゴト。

イメージ 3 ▲門から入ると、すぐ正面にミア妃を祀った本殿がこぢんまりと。

 本殿の中に足を踏み入れると、原色の飾り物に彩られた祭壇がしつらえられ、祭壇前の両脇の柱には、「巍峩鳳舞龍朝」などという漢字の文句が四面に書かれています。天井には「西望王母」と書かれた立派な扁額がかかっていて、これがミア妃の中国語名でしょうか。

 ミア妃、すなわちNguyễn Thị Rong(グエン・ティ・ゾン)は、ドゥオンラムの村の生まれだったので、妃となった後も、年老いた両親の面倒を見るために宮廷から村へ戻り、この地で寺院の建設や、市場や橋、道路などを整備したので、地元への功績を称えるために、1776年、村人たちがこの廟を建てたのだそうです。

イメージ 1 ▲ミア妃を祀った祭壇。

 祭壇の前まで進むと、ここの住職なのか管理人なのか、おじさんが一人いて、愛想良く話しかけてきてくれます。そしてみんなで「おみくじ」を引くことに。

 やり方は日本と同じで、易者の筮竹のような細い棒の先に番号が書いてあるのがたくさん入っている木の筒を振り、小さい穴から一本だけ出てきた棒の番号と同じ番号の引き出しに入っている紙を一枚いただくという仕組み。我々3人全員がひいてみましたが、全部ベトナム語で書いてあるし、案内してくれてるハンさんも、中国伝来の内容がたくさん書いてあるらしくてよくわからないと言い、よって今に至るも、3人の運勢は不明のままです!

イメージ 2 ▲祭壇の天井には「西望王母」と書かれた立派な扁額。