毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

古い家(ハノイふたたび;その11)

イメージ 8 ▲古民家の入り口には、誰のお宅かを示す表札のようなプレートが掲げられています。

 2015年4月26日、おばあちゃんのお宅。

 Đường Lâm(ドゥオンラム)村のMông Phụ(モンフ)集落に入るなり、90歳のおばあちゃんからお茶のおもてなしを受けてしまい、なんだか感激。

 この古民家の入り口の門脇には、冒頭の写真のようなプレートが掲げてあり
ました。「nhà cổ」とは「古い家」という意味で、その下の「bà」とは「おばあちゃん」という意味。この古民家には「Ha Thị Điền」という名前のおばあちゃんがいますよというプレートなんですね。

イメージ 1 ▲通りに面し、ギャラリーとしても使われている建物はがっしりと立派な造り。

イメージ 6 ▲この白壁の出っ張り部分の裏側が通りからの入口になってます。

イメージ 4 ▲屋根にはこんな精緻な彫刻の装飾が。

 おばあちゃんからお茶をいただきながら、中庭を眺めてみましょう。中庭を囲んで四方に建物がありますが、通りに面したギャラリーとして使われている建物だけががっしりとした柱や石造りの張り出し部分があり、他の建物は、ベトナム特有の細かい瓦で葺いた木造、塗り壁の簡素な家屋です。ギャラリーの建物の張り出し部分は、壁や屋根部分に精巧な彫刻の装飾が施され、たいへん手の込んだ造りになっています。

 この古民家がいつ建てられたものなのかは、残念ながら調べ損ねてしまいました。庭の中かどこかにきっと説明が書かれてあったと思うのですが、見忘れました。ドゥオンラム村には、17世紀から19世紀にかけて建てられた古民家が残っているとのことなので、ここも200年ぐらい前に建てられたんじゃないかなあと思います。

イメージ 5 ▲祭壇のある建物。おばあちゃんはどこ行った?

イメージ 3 ▲いちばん奥まった建物の中を覗くと、ここはもしや台所?

 中庭を見回してみると、表の通りから中へ入ってすぐ左が石造りのギャラリー、これと中庭をはさんで相対しているのが、台所のようなスペースが入っている建物、入って右側の建物が祭壇がある建物で、その反対側が、住人たちが寝泊まりしている建物のように見受けられます。亜熱帯なので、どの建物もオープンな感じというか、軒下が深く造られていて、軒下が重要な生活空間になっているという印象を受けました。

イメージ 7 ▲孫か曾孫か、いつもこの中庭で遊んでいるんでしょうね。

イメージ 2 ▲ちょっとした塀の上にも精緻な彫刻の装飾が。