毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

至福の夕食(何かと大荒れ冬休み;その12)

イメージ 10 ▲豊後牛を食らう!!(^^)

 2015年2月12日、長湯すると腹がへる。

 「ラムネ温泉館」と「御前湯」を回り、長湯温泉だけに「長湯」をしまくってたっぷりじっくりと炭酸泉に浸かりますと、当然のことながら、おなかがすきます。そこで夕食タイム!「丸長旅館」さんのお食事処の個室で、今から「如月の御献立」が始まります!

 まず「先付」、ご主人が長く京都で腕を振るっておられたということで、「先付」は毎回必ず「引き上げ湯葉」。生姜を絡め、旨だしにちょこっとつけて、いただきます。とろけるお味は何度食べてもうれしいです。

イメージ 1 ▲「如月の御献立」の始まり。「先付」と「前菜」が並べられたテーブル。

イメージ 2 ▲「先付」は毎回必ず「引き上げ湯葉」。大好きです。

 「前菜」は、「鯛の手毬寿司」、「春菊の白和え」、「パン枡(黒豆)」、「胡桃の蜜煮」、「サーモン焼リンゴ」、「穴子巻」、「菜の花」、「蕗の薹味噌和え」、「梅人参」、そして「梅長芋」。いや~、前菜だけでも盛りだくさん。特に「春菊の白和え」や「蕗の薹味噌和え」、「菜の花」なんかは、冬の味覚、初春の味覚でまさに旬。焼きリンゴのスライスをサーモンで巻いた「サーモン焼リンゴ」のねっとりとした酸味や、食パンを枡形にカットしてカラリと揚げてくぼみに黒豆を入れた「パン枡」のサクサク感は、実においしい創意工夫です。

イメージ 3 ▲「前菜」。旬もあり、クリエイティビティもあり、大いに盛りだくさん。

 「前菜」だけでもいったいどれほどの食材が使われているのか、たくさんの種類の食材を食べることは大いにヘルシーであります。そして、どれもおつまみにぴったりなので、お酒もほしくなります(^^)。

 そこでこの日は、地元竹田市の久住町にある蔵元「佐藤酒造」の「久住千羽鶴 純米本生」という地酒をいただきます。きりっと冷やした辛口のお酒で口を湿らせながら、「前菜」の一つ一つを味わってまいります。

イメージ 4 ▲地元竹田市久住町の蔵元が造る「久住千羽鶴」。

 続いて「吸い物」は、「蟹真丈」に「焼椎茸」、「ほうれん草」。「真丈」には珍しく、「蝦真丈」ではなく「蟹真丈」、これも冬ならではでしょうか。スープがここまで澄んでいるのを作れるのは、世界広といえども日本ぐらいなんじゃないかしらね?柚子皮がちょこんと添えてあるのが目に鮮やかで、その放つ酸っぱい香りはよいアクセントです。

イメージ 5 ▲「吸物」は珍しく蝦ではなく蟹を使った「真丈」に焼椎茸とほうれん草、そして柚子皮を添えて。

 「向付」は、あしらい一式を添えた「かぼす鰤」、「鯛」、そして「牛たたき」。冬が旬の寒鰤に大分特産のかぼすを添えたのはいかにもここならでは。しかし、いつも出てくる「エノハ(ヤマメのことだとよく言われますが、芹川産や大分川水系ならアマゴのことらしい)」がなく、その代わりなのか、今回は初めて「牛たたき」が並んでいます。うう~いい色!おいしそう~♪

イメージ 6 ▲珍しく「向付」には「牛たたき」が登場。ちょうど良い食感で、ウマイ。

 次は「炊合せ」。なんと「豚肉の角煮」であります。蕪とズッキーニとパプリカが添えられてちょっと洋風。おだしの色は淡く、中華ワールドの豚の角煮とは異なる、優しい味わい。豚の角煮といえば、その濃い味付け、濃いツユがゆえに、ごはんがほしくなり、確かに白いごはんと相性ぴったりなんですが、こちらの豚の角煮は、これだけを味わって食べてオイシイという感じ。まさに「中華から離れた和洋折衷の角煮」であります。

イメージ 7 ▲洋野菜が添えられた「豚肉の角煮」。

イメージ 8 ▲ホロリとくずれる軟らかい肉に淡いけれども深みのある煮汁がしみて、おいしい。

 そして今回、特に追加していただいたのが、「豊後牛ステーキ」。地野菜を添え、ステーキの上にはゴマを散らし、脂のつきぐあいもちょうどよく、火の通りもミディアムレアという感じで、素晴らしい味と食感。これは日本酒よりもワインの方がよかったかも!とも思ってしまいます。長湯温泉のある竹田市が同じ炭酸泉が涌くドイツのバートクロツィンゲンと国際姉妹都市関係を結んでいることは前回の記事に書きましたが、その関係でドイツとの交流が様々行われており、ドイツワインも輸入されていて、長湯温泉でもいろいろなところで購入したり味わったりできるようになっています。「丸長旅館」さんでも扱っているので、豊後牛ステーキをお願いしたからには、ドイツワインにすればよかったですね、やはり。

イメージ 9 ▲ドイツワインにするべきだったか。焼きたての「豊後牛ステーキ」、地野菜添え。