毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

浅虫温泉(何かと大荒れ冬休み;その4)

イメージ 3 ▲陸奥湾に日が落ちる。2月初旬なのに穏やかな天候の青森です。

 2015年2月8日、青森の奥座敷。

 たまの一時帰国なので、日本的なものをあれこれ楽しみたいのですが、そのうちの一つが温泉。この日は、青森の奥座敷・浅虫温泉へ投宿いたします。

 浅虫温泉と言えば、名版画家・棟方志功もよく通っていたそうですし、太宰治も、母親と姉が湯治をしていたこともあって、よく足を運んでいたそうです。小説「思ひ出」には、「秋になって、私はその都會から汽車で三十分ぐらいかかって行ける海岸の温泉地へ、弟をつれて出掛けた。そこには、私の母と病後の末の姉とが家を借りて湯治していたのだ。私はずっとそこへ寝泊まりして、受験勉強をつづけた。」とあります。

イメージ 2 ▲宿の目の前は新しく作られた「浅虫海づり公園」と「浅虫ヨットハーバー」、その沖には「湯ノ島」。

イメージ 4 ▲正面に見える赤い鳥居からは、弁財天を祀る祠へと至ります。

 宿の目の前は、国道4号線をはさんで、すぐに海。陸奥湾の最深部、青森湾であります。目の前には、新しく造成された「浅虫海づり公園」と「浅虫ヨットハーバー」、こんな真冬ではただの空き地で殺風景ですが、その沖には、カタクリの大群落があるという「湯ノ島」が浮かんでいます。

 そこから右へ視線を移すと、長方形の岩が海から突き出ているように見えます。あの半島状になっているあたりは、国道4号線からの入口にはかつて「浅虫ワンダーランド」という遊園地があり、そこから奥へ進んでいくと、東北大学附属海洋生物学研究センターがあり、それに併設された水族館があって、僕が小さい子どもの頃は、よく連れてきてもらったものです。この長方形の岩、「裸島」といいますが、その真ん前あたりが水族館だったと思います。

イメージ 5 ▲中央に見える「裸島」の対岸あたりに、かつては浅虫の水族館がありました。

 まだ午後4時半ですが、真冬の北日本の日暮れは早く、もう太陽が水平線へと吸い込まれそうになっています。この日は雪は降っていませんでしたが、くっきりと澄んではおらず、あまり遠くまでは見通せないお天気。ただ、海面はいたって穏やかで、目の前の「海づりセンター」の空き地にも雪はほとんど積もっておらず、今年の冬がどれだけ少雪で暖冬なのかがよくわかりました。

イメージ 1 ▲午後4時半で、もう夕暮れの趣。奥に見える陸影は津軽半島の付け根のあたり。