毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

「国子監」を開いた人たち(ハノイでクリスマス!;その18)

イメージ 1 ▲儒学家であり医学家であり教育家だった「Chu Văn An(チュウ・ヴァン・アン)」の像

 2014年12月27日、やはり美しい屋根瓦。

 伝統音楽ショーが行われる「前堂」を裏に抜けると「後堂」。その1階の中央には「Chu Văn An(チュウ・ヴァン・アン;朱文安)」の像があります。チュウ・ヴァン・アンは14世紀頃、ベトナム・チャン朝の儒学家であり医学家であり教育家であり、第五代皇帝「Trần Minh Tông(チャン・ミン・トン;陳明宗)のときに「国子監」の教師として招かれた人物。像の上には「傳経正學」の扁額がかかっています。

イメージ 2 ▲「文廟」を建立した「Lý Thánh Tông(リー・タイントン)」の像を真ん中に。

 2階に上がると、主たる像が三体並んでいます。真ん中は、1070年に文廟を建立したリー朝第三代皇帝「Lý Thánh Tông(リー・タイントン;李聖宗)」。頭上の扁額は「國學●基」です。3文字めがわからない。向かってその右は1076年に「国子監」を創立した第四代皇帝「Lý Nhân Tông(リー・ニャントン;李仁宗)、扁額は「●學任賢」。1文字めがわからない。すんまそんm(__)m。そして左は1484年に「進士題名碑」を建立した後黎朝大越の第五代皇帝「Lê Thánh Tông(レー・タイントン;黎聖宗)」、扁額は「文教誕啓」かな?。

イメージ 4 ▲「国子監」の建物のまさにベトナムらしい屋根瓦。

 2階には幅は狭いですがベランダのようになっていて、外に出ることができます。そこからは、「国子監」の折り重なる屋根屋根が見渡せて、壮観です。そして、なんと言っても、先ほど孔子廟の「拝堂」や「大聖殿」の屋根でも見かけた、鱗状の屋根瓦の敷き詰められているのが間近に見られ、圧巻です。当時官僚が履いていた靴先の形を模したものだとも言われています。

 「国子監」の敷地内の両側には、鐘を吊した「鐘堂」と、大きな太鼓を据えた「鼓堂」が建っています。授業の始まり終わりに鳴らされたものなのか、儀式典礼などの際に使われたものなのか。

イメージ 3 ▲「後堂」2階のベランダから見下ろした「鐘堂」。

イメージ 5 ▲こちらは「鼓堂」。ずいぶん大きな太鼓です。

 階段を下りて、「後堂」を出ます。建物を下から見上げると、屋根瓦ももちろん素晴らしいですが、先端に向かうにつれてぐぐぐっと反り返った造形もまた素晴らしく、2000年に建て替えられたものとは思えない歴史を感じさせてくれます。

 ここが「Văn Miếu-Quốc Tử Giám(文廟-国子監)」の最も奥まったところになるので、ここからまたゆっくりと、正門へと戻っていきます。

イメージ 6 ▲屋根の先がぐっと反り返った造形もまた素晴らしい。