毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ベトナムの伝統楽器(ハノイでクリスマス!;その17)

イメージ 3 ▲右端が、手を叩いて竹筒の中に空気を送り込むことで音を出す「クロンプット」。

 2014年12月27日、竹の音が心地よい。

 孔子像が祀ってある「大聖殿」を抜けると、また広い広場が出現。これはさっきの「大拝の庭」より更に広い。ここからが「Quốc Tử Giám(国子監)」のエリアなのであります。

 この「国子監」はベトナム最初の最高学府、大学です。1076年に李朝第四代皇帝Lý Nhân Tông(李仁宗;リー・ニャントン)によって創設されました。以来、この大学は1946年まで、この場所で運営し続けられますが、ついに抗仏戦争で完全に破壊されてしまいます。今ここにあるこの建物は、「ハノイ-タンロン建都990年」記念事業の一つとして2000年に建てられたものです。

イメージ 1 ▲いよいよ「国子監」エリアに。この広場ではいろいろイベントが開かれるとか。

イメージ 2 ▲「国子監」の「前堂」。2000年に再建されただけあって新しい感じ。

 「前堂」の中には、お土産品販売コーナーなどもあるほか、なんと、ベトナムの伝統楽器を使った演奏も行われていました。これはいいタイミングに来たぞ。

 演奏しているのはアオザイ姿の女性4人。いちばん上の写真は、左から、ベトナム風タンバリン(名称不明)、「Đàn tam thập lục」、中国の「楊琴」、「đàn bầu(ダンバウ)」、長短の竹の筒を並べたのが「K'lông pút(クロンプット)」。「ダンバウ」はベトナムの伝統楽器の代表格。弦は一本だけですが、胴の端に差し込まれた棒をしならせて弦の張りを変え、右手も弦を押さえる場所を変えることで音階を作り出すのだそうです。うーん、難しそう。「クロンプット」は演奏法が変わっています。節を抜いた竹を一列に並べてあり、これを木琴のように叩いて音を出すものと思いきや、竹筒には一切触れず、竹筒の端っこで手を叩き、筒の中に空気を送り込むことで音を出すんです。スゴイ!

イメージ 5 ▲二人が楽器を持ち替えて、別の曲を演奏します。

 曲が終わると、二人が楽器を持ち替えて別の曲を演奏します。今度は左から「t'rung(トゥルン)」、その隣は変わらず「Đàn tam thập lục」、その隣は、ボディは真四角だがギターのような楽器。名前はわからないけど、弦は4本のようです。右端は、さっき左端の人が使っていたタンバリンみたいなやつ。特に「トゥルン」ははもともと中部山岳民族のものだそうですが、竹の澄んだ音色はたいへん心地よいです。

 いやー、ハノイは食べ物もおいしいけれど、伝統楽器で奏でる伝統音楽もいいもんですな~。それに、この3日間、かなり街を歩いたけれど、アオザイ姿は見かけなかったので、アオザイ姿を間近で見ることができたのもよかった。演奏終了後、アオザイのおねえちゃんたちにCD買え買えってしつこく迫られるのを振り切るのに難儀しましたが(^^ゞ。

イメージ 4 ▲これまたたいへん特徴的な竹の楽器「トゥルン」。