毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ホアンキエム湖(ハノイでクリスマス!;その11)

イメージ 2 ▲ハノイ市街地の中心と言ってもよいホアンキエム湖、なんとなくライトアップ。

 2014年12月26日、亀の塔。

 ハノイに来たら行かないわけにはいかない観光スポットの一つ、「Hồ Hoàn Kiếm(ホアンキエム湖)」は、すぐ東側を流れる「Sông Hồng(紅河)」が何度も氾濫を繰り返すうちにできた湖の一つ。旧市街と隣り合っていることもあって、誰もが訪れる景観スポットであるとともに、周辺にはおしゃれなカフェやレストランも建ち並び、外国人観光客も押し寄せる一帯になっています。

イメージ 1 ▲周囲約1.8kmの小さな湖の湖面はまるで鏡のよう。

 日はとっぷりと暮れ、湖面は真っ黒ですが、ところどころライトアップされたり周囲の街の明かりを映したりして、まるで鏡のようです。

 そんな中にひときわ明るく浮き上がっている赤い楼閣が湖の南側の湖面に見えます。これは「Tháp Rùa(亀の塔)」。15世紀頃、中国の明朝と戦っていたベトナムの王レー・ロイは、ある男がたまたま川で釣り上げて献上した剣で勝利を収めますが、あるひ王が湖を遊覧していたところ、突然大きな亀が現れて剣を返せと要求し、亀は剣を咥えてそのまま湖に沈んでいったそうです。その剣を亀に返した場所が今の「亀の塔」の場所なのだとか。

イメージ 3 ▲ライトアップされて湖上に浮かび上がる赤い楼閣は「Tháp Rùa(亀の塔)」。

 湖の北側に木が茂った森ような島が見えるのは、「Đền Ngọc Sơn(玉山祠)」。小島になっていますが、橋が架かっているので、湖の東岸から歩いて渡っていくことができます。

 ここは、 13世紀の元朝との戦いで活躍した陳興道(Trần Hưng Đạo)、文昌帝(Văn Xương Đế Quân)、1864年に廟の修理を担当した儒者者で作家の阮文超(Nguyễn Văn Siêu)らを祀った廟だそうです。湖の東岸の渡り口には「福」と「禄」という字が赤く大きく書かれた最初の門があります。

イメージ 6 ▲「玉山祀」への最初の入口の門。湖の東岸にあります。

イメージ 5 ▲その次の門はここ。龍と虎の絵が描かれています。

 「福」「禄」の門から入って進むと、すぐに次の門。「龍門」とおそらく「虎躍」と書かれた壁には龍と虎の絵が描かれています。

 この門も抜けて更に進むと、朱塗りの扉が閉ざされた次の門へ到達。残念ながら、夜はここから先、島になっている部分へは進むことができません。参拝するなら昼間でなければならないようです。

 それにしても、ハノイ市内では寺院や廟をたくさん見かけますが、その門や壁に書かれているのはみんな漢字です。中国との歴史的なつながりの強さを感じざるを得ませんね。

イメージ 4 ▲3番目の門には朱塗りの扉が閉ざされていて、夜はここから先へは入っていけません。