秘境駅・千曳!(萩の花咲く秋のニッポン旅;その58)
▲ゆるいカーブにホームが向かい合う千曳駅。
2014年10月2日、うみねこ。
青い森鉄道八戸行き570Mは、大湊線との分岐駅野辺地を出ると次は千曳。新幹線開業前は普通列車は野辺地駅で長時間停車して特急「はつかり」などに追い越されたりしていたものですが、今やそんなこともなくなって停車時間は短くなり、なんかそれも寂しいような。
野辺地を出ると、次の千曳駅との間にかなり長いトンネルがあります。子供の頃は、このトンネルがとてつもなく長く感じられ、客車普通列車でそのトンネルを通るたびに、父親に腕時計を借りて、トンネルを出るまでどれだけ時間がかかるか計ったものです。
▲いちおう「秘境駅」として数えられているらしい「千曳駅」。
そのトンネル(大平トンネルというらしい)を抜けるとまもなく千曳駅。ゆるいカーブに沿って相対式ホームが向かい合っていますが、ホームの上に小さな待合室があるだけで駅舎はなく、駅の上を県道8号線が跨いでいますが、かなり広い範囲で周囲に人家はなく、昔から「秘境駅」として認められているようです。県内の東北本線のほとんどの駅に駅員さんがいた頃から千曳駅は無人駅だったので、ずいぶん早くから秘境化が始まっていたのでしょう。
▲千曳駅ですれちがった快速「はまなすベイライン1号」。
最後尾の運転台の窓から千曳駅を発車するのを眺めていたら、下り線を赤い気動車がすれ違っていきました。ん??あれは八戸線の「うみねこ」車両。なんだろうと調べてみますと、これは八戸発大湊行きの8761D臨時快速「はまなすベイライン1号」。10月は運転日がけっこう多いのですね。
乙供、上北町、小川原と停まって、三沢には11:44に到着。スーツ姿の用務客もけっこう下車します。かつては「はつかり」をはじめとする多くの特急、急行が停車し、十和田観光電鉄線も乗り入れて、活気を呈していただけに、十和田観光電鉄線が廃止になり、優等列車が通らなくなり、市の中心部に位置するわけでもないので、その凋落ぶりは目を覆うばかり。新幹線が通りさえすれば在来線沿線市町村はどうでもいいのかという問題をいつもながら感じてしまいます。
▲570M、三沢に到着。
▲三沢駅改札口。かつては特急もたくさん停まっていた駅だけに、その凋落ぶりは……(涙)