毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

青い森鉄道(萩の花咲く秋のニッポン旅;その56)

イメージ 9 ▲青森ベイブリッジがよく見通せる青森駅1番線には青い森鉄道の八戸行き。

 2014年10月2日、日本一長いホーム。

 特急「スーパー白鳥16号」なんかがいたものだからつい3/4番線ホームに下りてしまいましたが、今回用があるのは3/4番線ホームではないんです。また階段を上がって、跨線橋をさらに進んで、1/2番線ホームに移動します。3番線に停車している三厩行き「リゾートあすなろ竜飛1号」が、10:18の定刻に青森駅を発車していきます。

イメージ 1 ▲青森ベイブリッジをバックに、3番線に停車中の「リゾートあすなろ竜飛1号」。

イメージ 2 ▲車両はハイブリッドのHB-E300系気動車、まだ乗ったことないっす。

 さて、青森駅の1/2番線ホームと言えば、京都駅1番線ホームが0番線に改称され、切り欠きの30番線ホームと合体して558mになるまでは(あるいは、京都駅の0番線ホームの部分だけなら323mなので、0番線ホームになってからも、)、在来線では日本でいちばん長いホームとして有名でありました。約360mあったそうで、そのことが青森っ子にとっては少々誇らしいことでもありました。583系13両編成や485系12両編成の特急が頻繁に発着し、青函連絡船へ乗り換えるためにホームの端から端まで延々と歩く乗客の姿は青森駅の名物シーンでもありました。

 その青森駅1/2番線ホームは、このありさま。

イメージ 6 ▲1番線の車止め部分。

イメージ 5 ▲2番線の車止めと、ホーム上の鉄柵。

イメージ 7 ▲ホームそのものは日本最長のまま残っているのだが。

 現在、1/2番線ホームはほぼ青い森鉄道の専用ホーム。今年3月の改正で、青い森鉄道とJR奥羽本線の列車との同面ホームでの乗り換えを現行の2本から9本に増やすとしていますが、それ以外にJRの列車が1/2番線ホームに入ることはありません。青い森鉄道の列車は原則2両編成で、JR奥羽本線の列車も長くても4両編成止まりでしょう。それ以上長い列車がこのホームに入ることはもはやないのです。

 だからと言って、日本最長のホームの途中に鉄柵を設けて先へ行くことができなくし、車止めを設置して線路を断ち切ってしまうというのは、いかがなものか。

 確かに、1/2番線ホームとその線路周りの経営と保守は今やJRの手を離れて青い森鉄道がやっているのでしょうから、保守点検維持コスト削減のためには、その対象を減らすに越したことはありません。

 しかし、しかしですよ、だからと言って、こういう分断のしかたはですよ、ああ、何度このホームを通って連絡線桟橋まで歩き、青函連絡船に乗って北海道へ渡ったことか。もうなんだか残念過ぎて、涙も出てこんわい。

イメージ 8 ▲1番線はちょうど青森ベイブリッジの真下あたりに車止め。6両編成までは泊まれるらしい。

 ホームの屋根から吊された駅名標も、1番線側と2番線側ではちょっと違います。1番線側は青い森鉄道のコーポレートカラーである水色一色で、隣の駅は「筒井」だけになっていますが、2番線側はJR東日本の緑色も混じって、緑の矢印の方には「新青森」も記してあります。2番線にはJR奥羽本線の列車が入ることが前提なった記し方ですね。1番線には青い森鉄道の列車しか入ることがないということです。

 寝台特急「北斗星」の今春限りでの廃止が決まり、線路使用料の収入がなくなる青い森鉄道の経営は前途多難ではありましょう。しかし、東北本線そのものを分断し、そして線路もホームもこうして分断された姿を目の前にすると、これでいいのかしら?という疑問符をどうしても頭からぬぐい去ることができないのでした。

イメージ 3 ▲1番線側の駅名標には青い森鉄道の駅しか記されていません。

イメージ 4 ▲2番線側にはJRの列車が入ることも想定されているので、「新青森駅」も記してあります。