毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

2825Dで佐用→津山(萩の花咲く秋のニッポン旅;その26)

イメージ 2 ▲佐用駅、智頭急行ホームの方の駅名標。

 2014年9月27日、ヒガンバナ。

 姫新線は佐用から西は交通量が激減します。佐用から西へ行く列車のうち、あと一駅だけ走って隣の上月が終点になる列車はまだ多いですが、上月から先は難乗区間に変貌します。

 佐用から西へ行く列車1日14本のうち隣の上月止まりの列車は7本。つまり、佐用から上月を経てそれより西へ行く列車は1日7本しかないのです。

イメージ 1 ▲雲一つない快晴の佐用駅JR線ホーム。左が津山行き、右奥が姫路行き。

 そのうちの一本、08:32発の津山行き普通列車2825Dが次に乗る列車です。車両はキハ120形の300番台で、窓下にオレンジ色、その下に朱色という暖色系の帯を巻いているのが特徴。ステンレス製の車体で、車内にはボックスシートもあります。

イメージ 3 ▲ボックスシートも4ヶ所ある車内。

 佐用を定刻に発車すると、その次は上月。

 このあたりを列車で走っていて気づいたのですが、ホームの花壇や民家の庭先や田んぼの畦道や道端などのいたるところにヒガンバナが咲き誇っているのです!

 何をそんなあたりまえのことを、と思われるかもしれませんが、どうも今まで本物のヒガンバナを見たことがあるような気がしないのです。北海道から琉球列島まで見られるらしいのですが、青森で見かけた記憶がない。お盆に墓参りに行っても、あったかどうか思い出せない。

 なので、ヒガンバナという花があることは知りつつ、その姿が記憶に焼き付いたのは大林宣彦監督作品「22才の別れ」の中でがほぼ初めて。この映画には「Lycoris 葉見ず花見ず物語」というサブタイトルもついていたっけ。

イメージ 4 ▲美作土居駅の今は使われていないホームに群生するヒガンバナ。

イメージ 5 ▲これがヒガンバナなんですねっ、大林監督っ!!

 それにしても映画「22才の別れ」も切ないストーリーであった。そのモチーフの一つになったヒガンバナの群生をこうして間近で見ることができるとは思わなかったです。いやー、それにしても本当にいたるところで咲いていますね!

 そうそう、列車は上月を出て県境を越え、岡山県に入っていたのでした。岡山県に入って最初の駅は美作土居。さっそく旧国名を冠した駅です。旧国名を冠した駅は続き、その次は美作江見。黒瓦の昔ながらの木造駅舎ふう。津山方から美作江見止まりの列車も数本運行されています。

イメージ 6 ▲美作江見駅。瓦葺きの懐かしい気持ちになる駅舎です。

イメージ 7 ▲上月から美作土居、美作江見と続き、岡山に入ったことを実感。

イメージ 9 ▲美作江見から楢原、林野と来て、勝間田駅の駅舎です。

 列車は青空の土曜日の朝をのんびり走り、楢原、林野、勝間田、西勝間田、美作大崎、東津山と各駅に停車し、09:31、佐用から59分で終点津山に到着しました。以前津山線で岡山から来たことがあるはずなので、初めてではないのですが、どうも記憶に残っていません。姫新線、津山線、因美線の列車が乗り入れるので構内はなかなか広く、ホームも2面4線あります。

イメージ 8 ▲終点津山駅2番線に到着した佐用からの2825D。

 この日佐用から僕を運んできてくれたのはキハ120-356。JR西日本岡山気動車区所属16両のうちの1両です。まだ朝のうちというのに強い日差しに、ステンレスの車体がギラリと光っています。

 さて、姫新線の旅はまだようやく半分をちょっと過ぎただけ。次なる列車は34分の待ち合わせで、10:05発の新見行き859Dですが、まだ入線していないようですね。

イメージ 10 ▲佐用から津山まで走ったキハ120-356。