毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

芸備線の未乗区間をゆく。(萩の花咲く秋のニッポン旅;その33)

イメージ 1 ▲1日3本しかない新見発備後落合行きの列車。もうすぐ新見を発車です。

 2014年9月27日、まるで廃線跡。

 新見から、1日3本しかない備後落合行きの列車に乗って、芸備線未乗区間を乗りつぶします。新見発13:00の443D、キハ120-337の単行です。

 車内はそこそこ乗客で埋まり、新見を定刻に発車。新見から二駅先の備中神代までは芸備線と伯備線が重なっているため、複線区間であるかのように二線が並行します。そして最初の駅は、布原。芸備線の列車だけが停車し、伯備線の列車は通過してしまう駅。ただ、列車交換が可能なので、2013年2月に上りの「サンライズ出雲」に乗ったとき、この布原駅で停車し、特急「やくも27号」と交換したことがあります(そのときの記事はコチラ)。

イメージ 2 ▲芸備線の列車しか旅客扱いの停車はしない布原駅。

 布原の次が備中神代。横溝正史原作の映画「八つ墓村」で主人公が岡山から伯備線の列車に乗り、備中神代で降りるシーンが出てきます。1977年の映画で物語の設定もその当時ということで、主人公たちが乗った伯備線の列車も、某ネット情報によれば「キユニ18+キハ55+キハ10系気動車×4」の普通列車であるとのこと。また、そのキハ10系気動車とはキハ17形で、キハ55はキハ28・58形だとの情報も。僕もそういう車両に乗ってみたかった!!

 列車は備中神代駅を発車すると、大きく左へカーブして伯備線から分かれ、芸備線単独の線路へと進んでいきます。ここからが僕にとっての未乗区間。

イメージ 3 ▲岡山県最西端の駅、野馳駅。

 備中神代の次は坂根、そのあと市岡、矢神と続いて、野馳に停車。ここは岡山県最西端の駅だそうです。野馳を出発して中国自動車道をくぐると県境を跨ぎ、広島県に入ります。山陽本線でいちばん西にある笠岡駅よりも西にあるらしいです。

 広島県に入って最初の駅は東城。新見発の1日6本ある芸備線の列車のうち半分の3本はこの東城止まりだというだけあって、東城駅で下車する人は多いです。というか、ここでほとんど降りてしまったのでは?(^^ゞここ東城駅から先の5駅が、1日3往復しか列車が走らない超過疎区間。この区間にもう少し列車が多く走っていれば、もっと早く完乗できていたかもしれないのに。

イメージ 4 ▲新見から35分で東城到着。下車客多し。

 東城を発車してしばらくは東城の町並みを眺めながら走りますが、やがて山の中へと深く分け入っていく気配。東城の町の中を流れる成羽川も徐々に川幅を狭め、線路に寄り添ってきますが、線路の両脇に樹木が生い茂っているので、なかなかその流れを見ることができないほどです。

イメージ 5 ▲列車最後部からの眺め。山の中へと入ってきた感じ。

イメージ 6 ▲列車に寄り添うのは成羽川。写真右方向、東城の方へと流れていきます。

 更に山は深まった気配、よく見ると線路と線路の間には、枕木も見えないほどに草が生い茂っています。崖から伸びた雑草が今にも線路を覆わんばかり。その様子は、まるで廃線跡のようで、とても今も列車の往来がある線路には思われません。1日3往復しか列車が走らなければ、こうもなってしまうのでしょう。真夏とか、梅雨の頃とかは、もっと雑草が激しく茂って、廃線跡風情が強まるのではないでしょうか(^^ゞ。

イメージ 7 ▲その線路を走っていながら言うのはなんですが、まるで廃線跡のよう。