毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

下り急行「はまなす」に乗る。(萩の花咲く秋のニッポン旅;その5)

イメージ 1 ▲青森駅改札口の列車案内。これから乗ります急行「はまなす」。

 2014年9月24日、青森駅3番線。

 今年3月に寝台特急「あけぼの」が廃止になり、「上野発の夜行列車」がとうとう青森駅から姿を消しました。そして青森駅に最後に残った夜行列車は、青森と札幌を結ぶ急行「はまなす」だけということになりました。寂しいことこの上ありません。そして、今度新幹線が函館まで行くようになってしまったら、この急行「はまなす」だってどうなるかわかりません。

 そこで、しばらく前から、乗れるときには乗っておこうとがんばって、最近では2012年5月と2013年7月に急行「はまなす」(それも座席車)に乗ったのですが、この2回はどちらも上り札幌発の「はまなす」。下りの青森発にはしばらくしばらく乗っていないので、今回思い切って乗ってみることにしたのです。

イメージ 2 ▲21:45、DE10に牽かれて青森駅3番線に入線です!

 乗るなら自由席車と決めてはいたものの、23日までの秋分の日の飛び石連休の余波で混んでいたらイヤだなと、少し不安もありましたが、久しぶりに新青森駅ではなく青森駅へ行き、乗車券は既に「えきねっと」で発券していたので、急行券だけ窓口で購入し、入線時刻の21:45に合わせて、まずは今や青い森鉄道専用ホームになっている1/2番線ホームへ行ってみました。

イメージ 3 ▲最初から最後尾にED79が連結されて入線します。

イメージ 4 ▲牽引機関車の後ろは1号車B寝台車。赤い機関車に青い客車、これぞまさに夜行列車の基本形!

 21:45、急行「はまなす」がオレンジ色の車体のDE10に牽かれて3番線にやってきました。DE10が青森駅へ入ってくるのはもはや急行「はまなす」のときだけではないでしょうか。

 入ってきたDE10のうしろにはブルーの客車、そして最後尾には、函館までの牽引を担当するED79が最初から連結されているので、入線後にDE10を切り離せば出発準備はすぐに完了します。

イメージ 5 ▲ブルートレインとブルーにライトアップされた青森ベイブリッジ。

 跨線橋を渡って3/4番線ホームに移動します。鉄道ファンの方々がぽつぽつといて、写真撮影などに一所懸命になっています。最近、写真撮影がエスカレートして事故につながることもあるということで、青森駅でも常時ロープ規制がかかり、ホームの端まで行けなくなっているので、この日も出発前のED79の顔を正面から拝むことはできなかったのは残念でありました。

イメージ 6 ▲立ち入り規制で機関車の正面に回り込めないのは残念。1号車ドア脇にはエンブレム。

 寝台特急「北斗星」も「カシオペア」も、青森駅のホームには入りますが、機関車付け替えのためだけの運転停車なので、ドアが開いて乗降客の出入りがあるわけではありません。青森駅で客扱いがあるブルートレインは、もうこの急行「はまなす」一本だけなのです。

 新幹線新青森駅開業以来、ほとんどの優等列車が新青森駅発着となったので、その優等列車は青森駅にも立ち寄りはするものの、短時間停車して進行方向を変えて走り去るばかりで落ち着きません。その点、急行「はまなす」は青森駅が始発駅で、入線から出発まで33分も時間があり、夜行列車出発前のあの独特の旅情を楽しむことができます。

イメージ 8 ▲青森駅が始発の優等列車は急行「はまなす」と、あとは臨時の特急「白鳥71号」くらい?

イメージ 7 ▲「あけぼの」がなくなり、今や「札幌」は青森駅から一番遠い行き先です。

 入線してから発車までの時間が長いので、利用客はぱらぱらと三々五々やってくる感じで、混雑めいた雰囲気はありません。というか、むしろホームは閑散としています。飛び石連休の余波はほとんどないようです。多客期繁忙期には最大12両編成にまで増結される急行「はまなす」ですが、この日は寝台車が1両増えているだけで、青森ベイブリッジの手前までで全部が収まっています。6号車の屋根の向こうにはライトアップされた青森ベイブリッジ。発車時間が近づいてきましたよ。

イメージ 9 ▲青森ベイブリッジをバックに発車を待ちます。