毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

これぞ香港!な巨大建物。

イメージ 1 ▲トラム通りに面してそそり立つ「巨廈」の壁。

 2014年7月19日、「トランスフォーマー/ロストエイジ」。

 香港島の太古(Tai Koo)というところにかなり大きいイオンがあるのでたまに買い物に行くのですが、帰りにミニバスのバス停に並んでいると、大通りを隔てた向こうに巨大な建物があるのが目に入り、いつも気になっていました。

 そしたらその後、映画「トランスフォーマー/ロストエイジ」のロケをここでやったというニュースを目にし、ますますいったいあの建物はなんなんだろうと思い、先日買い物ついでに写真を撮ってきました。

イメージ 2 ▲トラム通りに面した側の一階はほぼ全部店舗になってます。

イメージ 3 ▲セブンイレブン、銀行、貴金属店など様々。二階にも理髪店などが入ってるみたい。

 一階部分は概ね店舗になっていますが、二階から上は住宅です。通りに面している壁面には窓が並び、ベランダはなく、物干し竿が突き出して洗濯物が風にはためきます。

 何階建てなのか定かではありませんが、最上階は見るからに建て増したという感じのバラックっぽいでこぼこした家屋が並んでいます。

 表通りからはこれしか見せませんが、実はこの表通りに面した建物に囲まれたその内側にも何棟もの建物が建ち並んでいるそうで、中に入ると、かつての魔の巣窟「九龍城」のように、二度と生きては出られない複雑に入り組んだ空間が広がっているのかも。

イメージ 4 ▲こちらはトラム通りから南へ角を折れた側面(西面)。窓とかちょっとデザインが違いますね。

イメージ 5 ▲ベランダはまったくなく、90度にそそり立つ壁にしか見えない。

 このような建物のスタイルは、土地が狭く人口が多い香港の特徴を反映した、60年代に盛んに建てられた多用途建築群で、とりわけこの巨大建築には古き良き香港の風情が残り、「巨廈」呼ばれているそうです。ここには「海景樓」「福昌樓」「海山樓」「益昌大廈」「益發大廈」という60年代に建てられた5つの建物が寄り集まっていて、5つ合わせて2,243世帯、1万人超がここで暮らしているそうです。映画「トランスフォーマー」のロケが行われたのは、このうちの「益發大廈」だそうです。

 この種の「巨廈」は、住人が多すぎるので、建物ごとに売却して立て直すということが非常に難しく、だからこそ今も巨大アパートとして残り続けているわけですが、トラムに乗っていると突然前方に現れるこの巨大な建物はやはり異様なたたずまいで、内側はいったいどうなっているんだろうと想像を巡らせずにはいられません。いつかこっそり中に入ってみたいですね。

イメージ 7 ▲西面のアップ。エアコンも室外機と一体になった旧式のものが多いですね。

イメージ 6 ▲西面の屋上はいかにもてんでんばらばらに建て増した感じでデコボコしてます。