毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

こんなところに釈迦涅槃像(暖冬正月北から南まで;その39)

イメージ 1 ▲青銅製としては世界一の、南蔵院の釈迦涅槃像。

 2014年1月10日、駅から徒歩すぐ。

 今回の旅の計画を作るときに、今まで未乗の筑豊本線に乗ろうと思って時刻表を眺めていたら、筑豊本線(篠栗線)に「城戸南蔵院前」という駅を発見。調べてみると、なんと青銅製としては世界一の釈迦涅槃像があるらしいことが判明。駅からも近いようだし、時間はあまりとれないけれど、初詣も兼ねて行ってみることに決定。

 確かに駅から徒歩数分で南蔵院の入口に到達。「篠栗四国総本寺」「別格本山南蔵院」と記された門柱がありました。

イメージ 9 ▲南蔵院の入口。門柱には「篠栗四国総本寺」「別格本山南蔵院」の文字。

 ここ南蔵院は、篠栗四国八十八箇所の総本寺・一番礼所・高野山真言宗別格本山。篠栗四国八十八箇所は、小豆島八十八箇所、知多四国八十八箇所とともに「日本三大新四国霊場」の一つとなっているそうです。天保年間に早良郡姪浜の尼僧・慈忍(じにん)が、四国八十八ヶ所を巡拝したその帰りに弘法大師を訪ねてこの地を訪れたのが篠栗霊場の始まりだとされています。

イメージ 8 ▲南天稲荷へ続く参道には赤い鳥居が。

イメージ 7 ▲こちらは大黒天と妙見菩薩のお堂。

 敷地はたいへん広いようで、参道をのぼるにつれ、お稲荷さまへ続く参道へ枝分かれしたり、大黒天や妙見菩薩のお堂があったり、全部を見て回るには少なくとも半日はかかりそうです。

 しかし、僕に許された時間はわずか26分。12:01に到着した4633Hを降りて、12:36発の博多行き快速4635Hに乗るまでの時間しかないので、とにかく急いで参道をのぼっていきます。

 すると突然、けっこう広い広場に出て、そこには、いたっ!いました、世界最大の釈迦涅槃像!

イメージ 3 ▲全長41m、高さ11m、重さ300トン。建立は1995年(平成7年)。

イメージ 2 ▲完成時には日本国内と世界中から1,300人もの僧侶が集まったとか。

イメージ 4 ▲涅槃像のある広場への出入口は涅槃像の頭の側にあります。

 いやー、これはなかなか見事な釈迦涅槃像。1995年(平成7年)建立でまだ20年も経っていないので、とても新しく、青銅の色が鮮やかです。

 このような仏像は、新しいとありがたみがないような気になってしまいがちですが、南蔵院では長年にわたってミャンマーやネパールの子供たちに医薬品、ミルク、文房具などを贈るという事業を展開してきたことから、ミャンマー国仏教会議から、その返礼として、釈迦とその高弟阿難、目連の三尊者の仏舎利の贈呈を受けたため、その仏舎利を祀るために釈迦涅槃像を建立することになったもので、落慶法要では「千僧供養」が営まれ、日本国内と東南アジア各地から約1,300人の僧侶が参列したそうですから、たいしたものです。

 もっとゆっくり見たいけれど、もう下らなければ。急いで今来た参道を戻ります。山の中腹に作られた参道からは、さっき降りたばかりの城戸南蔵院前駅を見下ろすことができます。手前には参拝客や観光客用の広い駐車場があり、その奥に篠栗線の線路が走り、城戸南蔵院前駅の駅舎があります。さて、あそこまで間に合って下りていけるかな。

イメージ 5 ▲山腹の参道からは広い駐車場。この日も韓国人団体観光客が来ていました。

イメージ 6 ▲その奥には城戸南蔵院前駅の駅舎と篠栗線の線路。