毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

窮屈度バツグン!の「ソロ」(暖冬正月北から南まで;その19)

イメージ 2 ▲EF64の塗装に似た色使いの「あけぼの」のヘッドマーク、シブいです。

 2014年1月5日、5号車3番個室。

 廃止までまだ2ヶ月以上あるというのに大勢のファンが詰めかけ、ロープ規制も実施されている上野駅とおさんばんせん、寝台特急「あけぼの」の発車が近づいてきています。

 この日の上野発車時の牽引機は双頭連結器を備えたEF64-1031。牽引は運転停車で旅客はホームへ降りられない長岡までなので、上野駅でしっかりと見納めしておかねばなりません。ここでちゃんと目に焼き付けておかないと、翌朝目覚めたときには牽引車はEF81に替わっていますからね。

イメージ 1 ▲上野駅に停まっている間にしっかり目に焼き付けておかなければ。

イメージ 4 ▲側面はブルーだけで、前後面だけにクリーム色が入るEF64の塗色は実にシンプルでシブい。

 機関車と客車の連結部のあたりには「あけぼの」の10号車の乗車位置を示す札が吊してあります。通常8号車までの編成で運行される「あけぼの」に、多客期には9号車と10号車が増結されるためです。2010年12月の東北新幹線全線開業前までは、多客期には最大で9~12号車の4両を増結することが想定されていましたが、2010年12月以降は最大でも9号車と10号車の2両増結に変更になったのです。しかし、僕は「あけぼの」が増結されている姿を見たことがありません。いったいいつ増結されていたのでしょう?

イメージ 3 ▲機関車の直後は電源荷物車。「あけぼの」の10号車の乗車位置を示す札が吊してありますね。

 さて、僕が今回一夜を過ごすのは、5号車の個室B寝台「ソロ」の3番個室。2階建て構造の1階部分、進行方向に向かって左側の一室です。

 寝台特急「北斗星」の「ソロ」は普通の開放式B寝台を壁で区切ったような構造で通路は一方の窓際にあり、寝台は枕木と同じ向きですが、「あけぼの」は真ん中に通路があり、その両側に線路と同じ向きの寝台が配置された個室が並んでいるという構造です。

イメージ 5 ▲今回の一夜の宿は5号車の個室B寝台「ソロ」だ!

イメージ 7 ▲「ソロ」の車内は真ん中に通路、両側に個室があるタイプ。

 しかし僕は「あけぼの」の「ソロ」は好きではないのだ。今回は人に頼んで寝台券を買ってもらったから文句を言ってはいけないが(^_^ゞ、できることなら2~4号車の開放式B寝台の下段に乗りたい。だって、「あけぼの」のソロは狭いんだもの~~(涙)。寝台の上に横になってしまえばそれほど狭さは感じませんが、着替えのために立つこともままならず、大きな荷物を置ける場所もなく、小柄な人ならともかく、大きめの人には窮屈でたまらない!こんなに窮屈なら、多少のプライベート感は犠牲にしても、開放式B寝台の方がまだのびのびできてはるかに快適だと思うのは僕だけかしら?

イメージ 8 ▲「ソロ」個室の室内。こうして見るとあまり窮屈さは伝わってこないな(^_^ゞ。

イメージ 9 ▲こちら枕元。横になってしまえば狭さはあまり感じないのですが。

 廃止が近づき、鉄道ファンたちが押し寄せてホームが騒がしいと言っても、ホームにいるすべての人たち、車内にいるすべての乗客たちが鉄道ファンというわけではありません。上野駅13番線には、いつもと同じ別れのシーンも変わらずに存在しています。

 どこへ行く誰を見送るのか、ホームと車内と、青い車体、「ブルートレイン」の窓を隔てて、見送る者と見送られる者の思いが交錯するのは、夜行列車の発車するホームに今も昔も変わらぬワンシーン。そんなシーンが「あけぼの」の廃止とともに失われてしまうことが、僕には残念でならないのです。

イメージ 6 ▲上野駅とおさんばんせん、見送る者と見送られる者の思いが交錯する瞬間。